エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

今日は立夏

2014年05月05日 | ポエム
立夏である。
昨日までと変わって、少し肌寒いけれど夏が立ったのである。

思いついて、今朝がた近所の竹林に出かけた。
筍が皮を剥ぐ音が聞こえていたのは、つい先日なのだ。



竹は、瞬く間に伸びる。
いま、春筍から「若竹」の候となった。

清々しいのが、竹の真骨頂である。



まだ、皮を剥ぐ音が聞こえる。
竹林に出かけて、耳を欹(そばだ)てて居ると、竹の皮を剥ぐ音が心音に響いてくるのである。

静かに・・・静謐の時間が流れてゆく。







「五雨の日や若竹伸びる音を聞く」







五雨である。

十風五雨(じっぷうごう)と読む。
穏やかな天候のことであって、十日に一度風がふき、五日に一度雨が降る。

安定した気候。
農業を専らにした、旧暦の表現である。

今日の曇天を補って、若竹が聳え立つ。
それが、立夏なのだ。



      荒 野人