エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

一位の実

2015年09月08日 | ポエム
一位の実は、秋が深まる頃の季語となっている。
けれども、生け垣の一位の葉影に赤い実が隠れている。
なんとも媚惑され色合いである。



この実は、美味しい。
姿形は、ブルーベリー似ている。

熟した実は、触れるだけでポロッと零れる。
その脆さや儚さが、好もしい。







「一位の実誰も摘まぬは罪の内」







一位の実が、颪(おろし)の冷たさに耐える赤さは暖かい。
ぼくはとりわけ、八ヶ岳颪に耐える生け垣の一位の実が好きである。




        荒 野人