エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ハナニラが咲く・・・寒返りの日

2012年03月05日 | 
昨日までの温さは一体何だったと言うのだ。
日曜日は一転して、寒い一日であった。
日替わり定食のようである。

だがしかし今日は「啓蟄」である。
土中の生き物が蠢(うごめ)き始めるのである。

季語としては「啓蟄」である。
そうだとしても「寒返り」「冴え返る」「寒の戻り」などといった言葉が今日の気候にあたる。



だがしかし、植物たちも陽だまりでじっと春を感じつつあるのだ。
これは昨夜の夜露を溜めこんだ姿である。

日曜日の朝8時に写した。
色が鮮やかに感じられるのである。



例えば「馬酔木(あしび)」は、その赤味をいや増している。
花も綻んできているのである。




      馬酔木咲く綻びたるは人の襞         野 人






この花は「雪柳」である。
本当は、この白い花が花序となって連なるのであるけれど・・・やはり寒さが厳しいのだろうか。

蕾の赤さが心寂しいではないか。
例えば、梅や桜はその蕾の赤味に喜びが弾けるのに・・・である。



      雪柳咲き方忘れ二三輪          野 人


      雪柳綻びたるは一人なる         野 人






ホトケノザである。
場所によっては花が多いのだけれど、この場所は竹も低く花の気配が感じられない。

独特の葉の形である。
ヒメオドリコソウと間違ってしまいそうである。
だがしかし、ホトケノザは、あくまで花が乗らなければならない。

ヒメオドリコソウと花も似ているけれど、咲く位置が違うのである。
今週中にはヒメオドリコソウを見つけてみたいものである。



ハナニラの花を二輪見つけた。
今年初の御眼もじ、である。

嬉しい!
嬉しいのである。

色づいていたのは三輪。
その内一輪は蕾である。






      ハナニラの二輪咲きたる低きかな        野 人




二輪の内、一輪は下を向いて寒さを凌いでいるかのように見える。
でも、この色が嬉しい。

最初、菫かな!と通り過ぎたのであった。
それでも、ひょっとしたら!と思って戻って確かめたのである。
ハナニラと知った時の喜びは、もう俳句では表現できない程であった。

寒返りの一日であったけれど、春は着実に歩み寄って来ている。





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      荒 野人


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ripple)
2012-03-05 16:28:37
落ち葉が
吹き飛んで
地面が
うっすらと
緑色になる

はこべやほとけのざが広がっています。
返信する
rippleさんへ! (荒野人)
2012-03-05 20:08:32
そうです、はこべも広がっていますね。
もうそこまで春が来ています。

今日は啓蟄ですものね。
rippleさんの元気、ぼくも欲しいです。
返信する

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