酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

小学生殺人事件考

2008-09-23 10:41:18 | のほほん日記系
このところ、2件の痛ましい事件が連日報道されている。
その一つ、福岡県小戸公園で起きた事件について考えたこと。
母親が逮捕され、近所の人のコメントが報じられる。
「信じられない、母親が・・・」
「子供がかわいそうです」
「そういえば最初から行動がおかしかった」
母親の起こしたことについて口々にコメントしていた。
しかし、私はある思いに胸を痛めたのである。

近所の人から母親の日頃が発表されていく。
〈ほんの少し足が悪かったような感じだった〉
〈首にコルセットを見たことがある。ムチウチになっていたのかも〉
〈はた目からはそう見えないが、障害何級かと聞いた〉
〈なんの病気かはしらないが、体が弱いと言っていた〉
〈時々家で寝込んでいたらしい〉
〈体のことで将来をなやんでいた〉

直感的に、母親は特定疾患じゃないかと思った。
それも、後縦靭帯骨化症のような進行性の脊髄神経障害に思えた。
首に原因があり、足に症状があり、普段は重症ではないが時々寝込むほど。
外からは大したことなさそうに見えるのに、障害何級。
本人が苦痛の中で将来を思いなやんでいても、周囲の人には誰もその辛さを理解できない。

入院前の私が経験した椎間板ヘルニアの苦しみも周囲には理解されなかった。
人に理解されない痛み、何もできない情けなさ、将来への不安、無理解な周囲への怒り。
脊髄神経障害の苦しさは単なる体の激痛のみでなく、精神にかなり大きな影を落としていたのである。
予後良性であるヘルニアですらここまで追い詰められるのであるから、もし難病などの進行性の神経症状があったのなら心にずっと暗雲が重くのしかかっていたとしても私には納得できる。
それに子供が何かの理由で特殊学級だったとしたら、将来を思い悲観してしまうことも理解できるのである。

今回の事件の真相はわからないが、周囲に解ってもらえないことが重くのしかかったのではないかと考えるのである。