
今回は最近のPC考を書いてみる。
49800円パソコンが店頭を賑わしている。
「パソコンも安くなったもんだ」
ちょっとしたオッちゃんは、自腹で40万円のPCを買った日を思い出して遠い目をしている。
さて、本当に安くなったのだろうか?
まぁ、ひと昔前に比べてという意味では安くなっただろう。
しかし、この数年のPCの価格はさほど変わっていないというのが実感である。

そんなことはない。
ワードやらエクセルやらをXPで動かすには十分な能力がある。
「じゃぁ、やっぱりすごく安くなったんだ・・・」
いやいや、十年近く前のPentium3-1GhzのおんぼろPCでさえ、メモリさえ700MBも積めばXP上でサクサク動作する性能はあったのである。
当時はこのメモリが高くて、標準で256MB程度しか載っていなかったため、その時代の性能だと思い込んでいたのである。

5万円PCは、ほとんどAtomという最新のCPUを搭載している。
最新だから古いCPUモデルより早いに決まっている・・・のか?
一番大きい写真は最新のAtom搭載inspiron Mini10である。
では、ウチの居間にころがっていたPCの面々に登場してもらい比較してみよう。
右>Dell inspiron700m (Cel-M 1.3GHz,2ndCash1MB,Mem1GB,WinXP)
中>Panasonic CF-T2 (Pen-M 1.2GHz,2ndCash2MB,Mem768MB,WinXP)
左>Fujitu LooxU50/XN (A110 800MHz,2ndCash512KB,Mem1GB,Win7^^;)

700mはフル装備モバイル、DVDの編集から何でもこなす万能選手。
T2は軽量1kgタフモデル。居間PCとしては最適、ソファに放り投げてもOK。
Looxは手のひらサイズ超小型オリガミPC。Win7なぞ入れているからちょっと遅いが、モバイル用には支障ない。XPにすればサクサク何でもこなすのである。

パナのPenM(Dothanコア)はまれにみる優等生として評価が高い。
前世代Pen3の頭のよさを受け継ぎ、次世代Pen4を凌駕してしまった。
Pen3が因数分解や微積分を駆使して答えを出すタイプだとすると、Pen4は電卓を目にもとまらぬ速さで打ちまくり計算するタイプ。
Pen4の1.5倍の速さ=PenMといわれている。
(これでintelの高級CPU路線の計画が吹っ飛んだ)
Cel-MはPenMの安物版だが、2次キャッシュが半分となっても1MBも積んでいたため、普通の作業ではPenMとの差が小さい。
A110はそのCel-Mのキャッシュをさらに半分にし、超省電力としたもの。
さすがにCel-Mとは比較にならないが、それでも素性は優等生なのである。
PenM系のトランジスタ数は1億4000万にも達する。

Atomの設計方針はPen4に類似する。
素質のよさでなく、短い足をひたすら回転数で稼ぐタイプ。
しかし、Pen4は3GHzに至る高クロック(回転数)であったのが、安物Atomは1.6GHzしかない。
2次キャッシュはA110と同じ。
さらに、トランジスタ数になるとAtomは、たったの4700万個なのである。
CPUのアーキテクチャ的にはi486(1990年全盛)と同じ。
当時に比べて超高速に動かしているに過ぎないのである。

5万円で売られているPCは、実は途上国で半額以下で売るために開発されたものである。
オッちゃんがワードを使うには普通に使えるPCなのだが「普通に使うことが限界」のPCでもある。
5万円以下PCのカテゴリーの規定は〔ULCPC=ウルトラローコストPC〕である。
LooxUなどの〔UMPC=ウルトラモバイルPC〕の規定とは全く違うので、そんな失礼な間違いはしないで欲しい。→ヤマダ電機やベスト電器
まぁ、ちゃんと理解して安いULCPCを買うのならそれもいいが、必ずチップセットが9**となっているものを選ぶこと。
でないとクソ重いVISTAと心中することはほぼ決定しており、まさに安物買いの銭失いで終わるだろう。