
「水・・スカイブルーって・・・」
なんでも、井戸水使っている人から、スカイブルーの水が出てくる、との相談らしい。
私の仕事とは直接関係ないが、それでも【耳ダンボ】
「検査するっていってるんだから、行かなくていいよ」
「そうですかぁ?」
なんとなく歯切れの悪いR子ちゃん。
向こうで何が原因かを議論している。

ヒマこいてる私が口を出す。
【事件屋の極意:ちったぁ勉強せいよ】

『でも、水の色まで付かない。本当に水が青いの?』
ネットで調べて「銅」って書いてあるのを見つけて、何となく皆さん納得。
「違う金属との境目に腐食が起こるらしいよ」とTさん。
ヨコヤリ入れても、とりあえず調べるところはさすがである。

『水が青いのなら他の可能性も。本当に青いって?』
水が青いほど銅が多いのなら、炎色反応で十分確定できる。
白金耳もあるし、バーナーなければコンロでもいい。
あのね、洗面所の陶器に青いものがこびりついているのは経験があるが、水がハッキリと青いのはおかしい。
『スカイブルーなら他の可能性も考えられる。染料とか、農薬も青く着色してるし』

『環境汚染の恐れが大いに考えられるから、R子ちゃん俺と行こぅ^^』

色々言ったが、私のアタリは銅。
与えられた情報が間違っている可能性あり。
【事件屋の極意:第1報の情報は疑ってかかれ】
もし本当にスカイブルーの水なら、とんでもない大事件を引く可能性もある。

地図をチラ見しても、周辺状況から絵の具や農薬、アゾ色素の可能性は極めて少ない。
『銅のキット準備してて』
念のため水汲みセットも車に積み込む(・・・が使うつもりは殆どない

まぁ、私の決め打ちどおり銅だろうから。
『スカイブルーなら有機系色素も否定できないのでCODもね!』
それでもスクリーニング用としてCOD検査キットは持っていく。
〔本当にスカイブルー、それも不透明ならCODで引っかかるものもあるだろう〕

【事件屋の極意:間違いないと思っても他の可能性は自分の中で割増でとっておく】

〔資料映像^^;〕

『酢ありますぅ?』
「調味料でいいですか?」
ミツカン酢をたらし、スポンジでこすると『ちょっと薄くなりましたかね?』
「あ、だいぶ落ちましたね」
銅でできた十円玉は酢で磨くと光るでしょ。
【事件屋の極意:頭を使ってそこにあるものを使え】
もちろん検査キットで銅を検出し一件落着。

(もちろん、全く心配いらないことを丁寧に説明して・・・)
【まだまだ、私の刃先はナマっていなかったようだ】
R子ちゃん、
私のいる間に【究極の極意:センシティブであれ】を感じ取ってくれればいいのだけれど。