Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

ピンク・バス

2005年06月30日 14時33分35秒 | ベリーの感想文(本・映画)
角田光代 作:ピンク・バス
をよみました。

この本は、「ピンク・バス」「昨日はたくさん夢を見た」という
2つのお話が、入っています。

ピンク・バスは、幻想的な物語で、主人公サエコが妊娠したシーン
から、お話が始まります。
作者は、出産経験がない人ですが、よくもまあ妊娠時の精神状態を
こうもリアルに書けるものだなと、感動しました。
妊娠中の、あの靄のかかったような、非現実っぽい一定期間の物語でした。

二つ目のお話は、「昨日もたくさん夢を見た」です。
私はピアノの天才だ!と、思って疑わなかった元少女が大人になって、
その成長の過程で、沢山の大切な人を亡くし
恋人も旅立って行き、そんなことを体験しながら、
人間個々が持つ、人生観を感じていきます。

そかもしれないね。と考えた本でした。

約束

2005年06月30日 10時36分35秒 | ベリーの感想文(本・映画)
石田衣良 作:約束
を読みました。

作者のそのほかの作品は、去年「娼年」を読んだだけでしたが
毎月、バイラの連載のコラムが面白いので
図書館で適当に借りてきました。

7作の短編小説が入っている作品でした。
いろんな形で、人々が生活を取り戻し、立ち直り、再生していこうとする
姿が、テーマの一冊です。

表題作「約束」は、池田小の児童切りつけ事件をモチーフに書かれた作品で
小学4年生の男の子が、主人公です。
強い信頼関係で結ばれた、親友の死を目の前で目撃した少年が
子どもなりの純粋さで、再生への一歩を踏み出します。

私が好きだった作品は
5作目の、「夕日へ続く道」です。
不登校になった、中学一年生の男子1名と
廃品回収業を営む、老人(63歳)との物語。
作中、老人が少年にかける言葉が好きでした。
若かりし頃、ノミやをやっていたという、この老人の語る言葉は、
インテリの両親の言葉や思想と異なって、少年の心に届きます。
人生の理不尽さや、不条理さ、バカバカしさを受け止め
そうしながら、強く優しく少年を諭します。
こんな年寄りになりたいな。
そう思いました。