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最後の息子 (文春文庫) 吉田 修一 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る |
吉田修一 著 : 最後の息子
を、読みました。
どれも、長崎の男が主人公で、短編3作品が収められています。
タイトル作の、最後の息子は、閻魔ちゃんという
成功したおかまちゃんに、養ってもらっている僕が主人公。
僕は、繊細で鋭利な感覚を持つ、気のいいおかまの閻魔ちゃんの
すてきなツバメちゃんでいるために、かれなりの努力をします。
ときには、計算づくの芝居を打ったり、彼らの間だけにある
微妙な感覚の中で、過ぎてゆく毎日。
そんな毎日を、おさめたビデオ日記を、はじめから見直すという形で
それまでに起こった、エピソードが僕の語りで、語られます。
閻魔ちゃんが酔った時に行う独立宣言、友人である大統領の死。
ビデオ日記を、最後まで見終わった僕は、一体どうしたらいいんだろう?
若さゆえの残虐さを、ちょっと思いだした作品でした。
残りの2作品は、どちらも長崎が舞台の物語。
長崎なまりで、登場する青年と、少年がリアルに感じる
面白い作品です。