Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

あなたの呼吸が止まるまで

2010年05月23日 19時00分11秒 | ベリーの感想文(本・映画)
あなたの呼吸が止まるまで
島本 理生
新潮社
天気       一日中強い風のだったらしい



島本理生 著 : あなたの呼吸が止まるまで
を、読みました。


朔は、小学校6年生の女の子。
両親は離婚して、父に養われています。
父は舞踏家ですが、マイナーな分野なために、
有名であっても、家計は苦しいため、
普段の父は、舞台の大道具の仕事をして
生計を立てているのでした。
うっすらと感じる、自分に対する母の拒絶など、
多感な時期に差し掛かった、朔の成長を
つぶさに感じ取る大人は、おらず。
家事を器用にこなす素直な朔は、
自分の成長に、戸惑っている事さえ
気がつくことのない、子供でした。
そんなときの、優しい言葉をかけてくれる大人との出会い。
その出会いが、彼女の心の闇を
作ることになろうとは、大人も、
もちろん、寂しさをたたえた少女にも、
知る由もありませんでした。


久しぶりに手に取った、島本作品。
予備知識なしに読み始めたので、
小学6年生の女の子の、一人称の物語が
一体どこに着地するのか?と思っていたら、
とんでもなく、大きな問題提起を投げかけられた作品でした。
どんなに手のかからない、子供でも
子供は子供。周囲の大人が、しっかりと
見守ること。そしてゆるぎなく愛されているという実感を、
感じることができる環境を、作ること。
それが、保護者という名の大人の責任なんだなと感じた、
衝撃の作品でした。