カツンッ ココンッ
アクセサリーが落ちた音。
プログラムはハイドンのセレナーデ。静かだ。
フルートはソロ
バイオリンとビオラとチェロはずっとピチカート。
見ちゃいけないー集中していなければ事故が起こる。
そうなのだ。
ハイドンのセレナーデくらい中学生でも吹ける。
とは思うけどこの曲は結構。難しい。とも思う。
「あ。」と思ったが
「見ちゃいけない。集中力が途切れたら終わりだ」
と、思う自分がいて、決して見ない。
が、ハイドンのセレナーデ、けっこう長い。
こうなると気になってしょうがない。
「私のイヤリング?耳に感覚はない。それともセイコちゃんの?』
『隣から飛んで来たようにも思うし、でも私のが落ちたのかな?」
「いや、そんなことはどうでもいいのよ。このフレーズの方向はここ!」
なんて考えながら演奏している。
演奏中は結構いろんなことを思いながら演奏している。
ココは難しいんだよな気をつけよう とか
急がないように遅れないように とか
この響きになるように呼吸を保って とか。
結局「なんだ、私のじゃなかったのね。よかった・・・」
というわけで吹っ飛んだのはセイコちゃんのピアスでした。
で、曲が終わっても拾わずにいます。
お客さんの集中力が途切れるのでね。
ほんのちょっとした出来事でした。