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肩ごしの恋人

2006年02月16日 | 
唯川恵の直木賞受賞作品。

その中で、会社を辞めたOL萌と不倫中の男のやりとりの1節にこんなのが。

 「どうして辞めたの?」
 「あの会社は自分の居るところじゃないと思ったから」
 彼は長く息を吐き出した。
 「気を悪くするかもしれないけど」
 「何?」
 「それぐらいでやめるなんて、気楽でいいなぁと思ってね」
 当然、気を悪くした。
 どんなに気楽に見えても、リスクは背負っている。
 辞めることは簡単でも、辞めた後は大変だ。
 男はいつも耐えることを美化して、
 どんなに不本意なことをやらされても今の自分に納得する。 
 それを責任とか、義務とかいう言葉に置き換える。
 気楽という言葉を使われるなら、萌のほうこそ彼に言いたい。
 「あなたこそ、辞めようと思わなくていい会社に勤められて気楽でいいわね」

萌の言い分、とてもよく分かる。

今のご時世、私の周囲でも転職を繰り返す女性が多い。

私も例に漏れず・・・なのだが。

どうも、男性の目から見ると、それらの行為が「気楽」と写るらしい。

とんでもない

何か事を起こすとなれば、とてつもないエネルギーを要する。

「今の自分を変えたい」という望みをかけて覚悟を決め、決断するのだ。

「気楽」なのは、責任や義務を言い訳にして、我慢している男性のほうなのでは?

かと言って、彼女達にはプランがあるわけではなかったりする。

結婚に逃げたり、ニートになり下がったりしてしまうかもしれない。

退職したことを後悔したりなんかもするかもしれない。

でも、決して「気楽」ではないのだ。

この辺りの男女の考え方の相違が実に上手く表現されている本だ。

唯川恵は、コバルト時代から大ファンだった作家さん。

しかし、直木賞受賞と聞いて、失礼ながら、

「意外」
なんて思ってしまいました

でも、読んでみて、納得

内容もよくできており、ドロドロしそうな人間関係、人間心理を、

実に爽やかに描いているのはさすが
この人の感性は、かぇるはとっても共感できます

読みながら、「ふむふむ、なるほど、うんうん

なんてしきりに思ったものです。
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