Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

清滝隧道

2013-11-17 00:50:15 | 関西地方



京都市の嵯峨嵐山と清滝結ぶ清滝トンネル。
全長約500mの自動車用隧道で、京都市内では深泥池と並び多くの怪異譚が語られています。

この隧道は愛宕山参詣のため、嵐山と愛宕山を結んだ愛宕山鉄道の鉄道用隧道を転用したものです。

1929年に開通した愛宕山鉄道は嵐山駅(現在の京福嵐山駅)と清滝駅間の平坦線と清滝川駅から愛宕駅を結ぶ鋼索線から成っていました。
そのうち平坦線の鳥居本-清滝間の山中に掘削されたのが清滝隧道です。

しかしながら、この鉄道は戦中に廃線となり、隧道は工場として使用されたのちに道路として利用されるようになったと言います。
現在はほぼ同じ区間を京都バスが走っています。






嵐山駅から清滝行のバスに乗って終点清滝の1つ手前、「愛宕寺前」停留場で降りると目の前が清滝トンネルです。

単線時代の名残で1車線の狭いトンネル内はすれ違い不可能なため、信号機による相互通行が行われています。
周囲には人家は多くありませんが集落を結ぶ役割を担っているため歩行者・自転車も通行可。

しかし、隧道は途中で左へとカーブしているため見通しは悪く、出口の見えない構造は不安を掻き立てます。
さすがに歩行者として通るのは敬遠したいかなという印象。

隧道内では、ボンネットに落ちてくる女性の霊や、鉄道時代に事故死した人の霊が現れるとも言われています。


また、手前の交差点で枝別れして、トンネル上部を通る峠道(試峠)にも噂はあります。
頂上付近の切通区間に取り付けられたミラーにまつわる怪談です。




この付近で語られる噂の原因はなんなのでしょうか。

思うに、京都の市街と地方集落の境界の地にあたるこの土地が絡んでくるのではないかと思います。

歴史的にみると、町はずれ・村はずれの地は多く葬送地、処刑地という歴史を背負っており、
この付近は京都三代葬送地の一つである化野と呼ばれ、数多の無縁仏を供養する化野念仏寺が鳥居本付近に存在します。

遠い歴史事実が、着実に現代まで形の見えない雰囲気として生き残り、怪しげな空間を作り出す。

薄暗いトンネルの中に、遠い昔の深い闇が今も住み着いているのかも・・・


京都の鳥辺野にある東山トンネルもその手の、歴史息づく地で生まれた怪しげなスポットと言えます。

 



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