歸國 | |
クリエーター情報なし | |
日本経済新聞出版社 |
2010年だったか、終戦記念のドラマとかでこの「帰国」が放映されました。
ビートたけしが主演です。
サイパンで戦死した英霊が現代の日本がどうなっているのか見るために、
汽車に乗ってやってくるという設定のお話でした。
この原作は『サイパンから来た列車』という短編で、終戦後10年くらいの時に書かれたものらしいですが
戦後60年以上過ぎた今でも、同じようなことを感じてしまうのはなぜなんでしょうか。
百田尚樹の「永遠のゼロ」のなかで、
昭和の人が明治維新の人々のことを思うとき
目まぐるしい時代の変化の中で、まだ100年も経っていないのに
まるでおとぎ話か何かのように感じてしまうことを登場人物に語らせています。
現代では、戦争という「今日死ぬか、明日死ぬか」の時代が
まるで「作り話」のように感じられ平和が当たり前と思って生きている人が
大半ではないかと思います。
その時代をリアルに生きた人々が、それを語れる人たちがどんどん亡くなっているからでもあり
太平洋戦争(第二次世界大戦)を日本の視点で総括することをしてないからだと言えるかもしれません。
戦勝国の言いなりな「戦争ばなし」ではなく、実際の資料に基いた「現実」を
今を生きる日本人が知り、考え、意見を言い、行動しなければ
親や幼い兄弟を守るために、その家族の住む国を守るために、
戦って死んでいった人たちは永遠に報われない。
愚かな戦争というなら、それを正確に分析して、今を生きる人々に提示することが
必要であると思うのでした。