細美くんはこれをやりたかったんだ
このCDを最初に聴いたときにそう感じた。
ELLEGARDENの時に抱え込んでいた何かを脱ぎ捨てて
なんだか裸で走り回っているイメージだ。
全体的にとてもヨーロッパの香りがした。
特に私の愛するイギリスの香り。
アメリカに住んでいた彼だったけれど
エルレのサウンドには初期にはまだ残っていたイギリスの香りが
だんだんとアメリカの香りになってきていたけれど
どこかで
きっとずっと忘れてなかったサウンドが
じっとその時を待っていたかのような
そしてやっと土の中から飛び出してきたような
目に見えないけど
妖精のような光のかたまりのような何かを
すごく強く感じた。
私が卒論でやったヘンリー・ジェームスの作品には
いつもアメリカ人がイギリスやヨーロッパに来て
何かを感じ、今までの自分とは違う自分を発見して
そして強く変わっていくものが多い。
ヘンリー自身もアメリカ人だから彼自身の投影なのかも
しれない。
そんなアメリカ人の姿が
細美くんと重なった。
私はかつてdrama(いわゆる演劇全般)を学ぼうとイギリスに渡った。
でも、dramaと同様に私をとりこにしたのがイギリスのアート。
特に現代アートにはすごいパワーがあって
でも、日本ではなかなか見ることができないものがたくさんあった。
日本と違って、当時は無料で入れるところもあったし、チケット代も
日本円でいうなら500円もしなかったと記憶してる。今は知らないけど。
とにかく、授業でイギリスのアート史を取っていたのもあって
しょっちゅう美術館へ通った。
私がいたときはまだテートモダンはまだ、バンクサイド発電所がそのまま
眠っていたときで、生まれ変わって美術館になったのにはまだ行ったことが
ない。でも、そのバンクサイド発電所自体すごく雰囲気がある場所で
大好きな場所のひとつだった。
私がいたときはテートギャラリーはひとつだけで、そこにいろんな
アートがあって、現代アートもそこにあった。
それこそ「わけがわからない」そんなものもあった。
でも、いくたびに好きな絵の前にずっとすわってた。
その部屋に私しかいないときもよくあった。
たとえば、ピカソがなぜにあの青の時代からアブストラクトな
絵や小さな子どもが描くような絵を描くに至ったのか
そういうことがこのTrash We'd loveを聴いてたら
頭に浮かんだ。
今までリアルな世界を描き続けてきた細美くんが
なぜにイメージの方が先行するような曲を
作るに至ったのか
エルレのときは今の自分の状況に重ねあわせて
そこでいろいろ助けてもらっていた。
でも、今回のこの作品では今の状況と重ねることはできない。
そうリアルな日常はそこにはない。
だけど、もっと奥深いところで救い出してくれるそんな曲が
このアルバムには詰まってた。
心理学的というのか
潜在意識というのか
人はときどきイメージの中で自分を救い出す手段を見つける。
そんな精神世界みたいな
それこそ抽象的な絵のような
理由がどうとか
説明がどうとか
そんなことより
感じろ!
っていう感じの感覚が
あふれている。
そう自分の五感で感じるのみ
イメージの中を浮遊する感じ。
絵の中を泳ぐというのか
遠い昔
エマーソン・レイク&パーマーというバンドの
「展覧会の絵」というアルバムを聴いたとき
それが本当の絵を見て、その個々の絵のイメージで
曲が作られたムソルグスキーのクラシックをベースに
してたとは思わずに、ひとつひとつ音楽で絵を
イメージして描いていると思い込んでいた。
そんなこと実際はすごい作業だ。
音楽で絵を描くなんて
でも、今回のこの細美くんの作品は
そんな感じがした。
音楽で描かれた絵
The Flareなんて
聴いたときほんとうに
星がシャワーのように降り注いできたんじゃないか
っていうぐらいの眩しさを曲から感じた。
実際にあるわけない光のシャワーが
見えてくるんだよ。
自分が別の世界にトリップした感覚。
じっと絵を見ているとその中に入ってしまうような
そんな感覚で音楽の中に入っていくような不思議な感覚
今回のアルバムでまた強く感じたのは
キーボードの音がこれほど細美くんの声と
宝石のように絡み合っていくんだって
ギターもベースもドラムもすごいんだけど
キーボードがやっぱり謎を解く鍵のような
パワーを感じた。
Silver Birchはほんとうにイギリスの空気を感じたし
どこかローリングストーンズの「She's a rainbow」の出だしを彷彿させる
コロコロと水晶玉がころがっていくようなピアノの音。
聴いているだけでなんか
「生きてるんだ」
って感じが強くする。
そして忘れかけていた何かを
思い出して
そうだ
私にはあの場所があったんだって
そんなことを思い出させてくれた。
またあの場所へ行こうって
今までは細美くんの音楽はいつもそばにあって背中を押してくれたけど
今度の彼の音楽はその音楽そのものの中に引き込んでいくような
そんな強さがあって、別の世界に連れ去られそうな
まるで磁力が発生してるような
そんな感覚を感じる。
いろいろもっと書きたいけれど
まだまだ聞き足りてない気がする。
このアルバムは
一曲目が始まったとたん
宝石箱のふたが開けられたかのように
ほんとうにまぶしい光がぱ~っと
溢れ出して
こんなにも眩しいアルバムって
今まであんまり知らないってくらい
とにかくもっと
もっと
もっと
聴いてみようと思う。
このCDを最初に聴いたときにそう感じた。
ELLEGARDENの時に抱え込んでいた何かを脱ぎ捨てて
なんだか裸で走り回っているイメージだ。
全体的にとてもヨーロッパの香りがした。
特に私の愛するイギリスの香り。
アメリカに住んでいた彼だったけれど
エルレのサウンドには初期にはまだ残っていたイギリスの香りが
だんだんとアメリカの香りになってきていたけれど
どこかで
きっとずっと忘れてなかったサウンドが
じっとその時を待っていたかのような
そしてやっと土の中から飛び出してきたような
目に見えないけど
妖精のような光のかたまりのような何かを
すごく強く感じた。
私が卒論でやったヘンリー・ジェームスの作品には
いつもアメリカ人がイギリスやヨーロッパに来て
何かを感じ、今までの自分とは違う自分を発見して
そして強く変わっていくものが多い。
ヘンリー自身もアメリカ人だから彼自身の投影なのかも
しれない。
そんなアメリカ人の姿が
細美くんと重なった。
私はかつてdrama(いわゆる演劇全般)を学ぼうとイギリスに渡った。
でも、dramaと同様に私をとりこにしたのがイギリスのアート。
特に現代アートにはすごいパワーがあって
でも、日本ではなかなか見ることができないものがたくさんあった。
日本と違って、当時は無料で入れるところもあったし、チケット代も
日本円でいうなら500円もしなかったと記憶してる。今は知らないけど。
とにかく、授業でイギリスのアート史を取っていたのもあって
しょっちゅう美術館へ通った。
私がいたときはまだテートモダンはまだ、バンクサイド発電所がそのまま
眠っていたときで、生まれ変わって美術館になったのにはまだ行ったことが
ない。でも、そのバンクサイド発電所自体すごく雰囲気がある場所で
大好きな場所のひとつだった。
私がいたときはテートギャラリーはひとつだけで、そこにいろんな
アートがあって、現代アートもそこにあった。
それこそ「わけがわからない」そんなものもあった。
でも、いくたびに好きな絵の前にずっとすわってた。
その部屋に私しかいないときもよくあった。
たとえば、ピカソがなぜにあの青の時代からアブストラクトな
絵や小さな子どもが描くような絵を描くに至ったのか
そういうことがこのTrash We'd loveを聴いてたら
頭に浮かんだ。
今までリアルな世界を描き続けてきた細美くんが
なぜにイメージの方が先行するような曲を
作るに至ったのか
エルレのときは今の自分の状況に重ねあわせて
そこでいろいろ助けてもらっていた。
でも、今回のこの作品では今の状況と重ねることはできない。
そうリアルな日常はそこにはない。
だけど、もっと奥深いところで救い出してくれるそんな曲が
このアルバムには詰まってた。
心理学的というのか
潜在意識というのか
人はときどきイメージの中で自分を救い出す手段を見つける。
そんな精神世界みたいな
それこそ抽象的な絵のような
理由がどうとか
説明がどうとか
そんなことより
感じろ!
っていう感じの感覚が
あふれている。
そう自分の五感で感じるのみ
イメージの中を浮遊する感じ。
絵の中を泳ぐというのか
遠い昔
エマーソン・レイク&パーマーというバンドの
「展覧会の絵」というアルバムを聴いたとき
それが本当の絵を見て、その個々の絵のイメージで
曲が作られたムソルグスキーのクラシックをベースに
してたとは思わずに、ひとつひとつ音楽で絵を
イメージして描いていると思い込んでいた。
そんなこと実際はすごい作業だ。
音楽で絵を描くなんて
でも、今回のこの細美くんの作品は
そんな感じがした。
音楽で描かれた絵
The Flareなんて
聴いたときほんとうに
星がシャワーのように降り注いできたんじゃないか
っていうぐらいの眩しさを曲から感じた。
実際にあるわけない光のシャワーが
見えてくるんだよ。
自分が別の世界にトリップした感覚。
じっと絵を見ているとその中に入ってしまうような
そんな感覚で音楽の中に入っていくような不思議な感覚
今回のアルバムでまた強く感じたのは
キーボードの音がこれほど細美くんの声と
宝石のように絡み合っていくんだって
ギターもベースもドラムもすごいんだけど
キーボードがやっぱり謎を解く鍵のような
パワーを感じた。
Silver Birchはほんとうにイギリスの空気を感じたし
どこかローリングストーンズの「She's a rainbow」の出だしを彷彿させる
コロコロと水晶玉がころがっていくようなピアノの音。
聴いているだけでなんか
「生きてるんだ」
って感じが強くする。
そして忘れかけていた何かを
思い出して
そうだ
私にはあの場所があったんだって
そんなことを思い出させてくれた。
またあの場所へ行こうって
今までは細美くんの音楽はいつもそばにあって背中を押してくれたけど
今度の彼の音楽はその音楽そのものの中に引き込んでいくような
そんな強さがあって、別の世界に連れ去られそうな
まるで磁力が発生してるような
そんな感覚を感じる。
いろいろもっと書きたいけれど
まだまだ聞き足りてない気がする。
このアルバムは
一曲目が始まったとたん
宝石箱のふたが開けられたかのように
ほんとうにまぶしい光がぱ~っと
溢れ出して
こんなにも眩しいアルバムって
今まであんまり知らないってくらい
とにかくもっと
もっと
もっと
聴いてみようと思う。