HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

創造と想像

2010年02月11日 | 細美武士/the HIATUS
高校のとき、なんの授業か忘れたけれど
あてられて、何かを答えてたとき
私が「そうぞう」っていう言葉を発したときに
先生が「それはimaginationの方ですか?それともcreationの方ですか?」
と聞いてきた。

私は即座に「creationの方です!」と答えた。

どんな内容だったのか覚えてないけれど
このシーンだけが忘れられない。

そのとき自分が発した「creation」という言葉が
すっごくかっこよく自分に響いたんだ。

creationという言葉にはなんだか強さが感じられて。

creationという言葉には創造だけでなく森羅万象という意味もある。

今、細美くんはそんなcreationのまっただ中にいるんだね。

ブログを読んでいると

また創世記以前に入ろうとしてるのかな?なんて
ちょっと心配してしまうけれど
ラジオを聞いてたら、少しは安心する。

常識なんてどっかいっちまえ~みたいな事が
書かれてたけれど、

私には最近、常識がどんなもんだか
わけわかんなくなっているから
常識に出会っても気づかないかもしれない。

日々、もしかして異常な世界にいるのかもしれないな~。

creationもimaginationも翼をもぎとられて
墜落してしまっているような日々。

現実の世界はリアルに非常識

ドラマで見て「そんなのないよなぁ~」
みたいなことが目の前で展開されてたり。


昨日も朝の7時30分ぐらいに職場に入った瞬間から
ノンストップで夜の7時ぐらいまで全力投球の仕事。
昼ご飯なんて5分でいわゆる「カッ食らう」感じ。
でも、ちゃんと牛乳は毎日飲んでいる(笑)

ヘトヘトで職場を出て、駅につくと
中途半端な時間。地元のバスに連絡してないんだ。
田舎だからね。

仕方が無いので京都駅の伊勢丹でやっている
「高橋真琴」展に行ってみる。8時までやってるって
書いてたので、美術展でこんな時間までやってるのって
あんまり見たことなかったので、疲れてたけど
入ってみた。

そこには目にキラキラがたくさん入った
美しい少女たちのイラストがたくさん飾ってあった。

とても癒された。
常識ではありえない大きな瞳とキラキラした光。

この画家は男性でしかも高齢。
今も現役で少女の絵を描いている方。

彼が描くのは「清楚で気品があって恥じらいのある凛とした女性」
このポリシーを彼の長いイラストレーター人生において
曲げたことはないんだって。

ほんとそうだった。

どの絵を見ても、気品が漂っていて
見るものに安らぎを与えてくれる。


雑誌なんかにたくさん描かれている方なので
昔の幼児雑誌の「よいこ」の雪の女王とか
そういう名作の挿し絵も展示されてたけれど
こんなレベルの高い挿し絵を幼児期に雑誌で
見れた世代の人たちはきっと今の時代
何歳かわかんないけれど、「創造」力のある
人たちになってるんじゃないかと思う程。

子ども向けの名作の本の挿し絵も最近は
マンガみたいなのが多くて、うすっぺらくて
誰かに買ってあげたいってなかなか思えない。
マンガが悪いっていうのではなく、その挿し絵に
採用されているマンガが細やかさに欠けている。

でも、古本屋で見かけたり、こうして高橋さんの
イラストが描かれた本とか見ると、昔の人たちが
すごくうらやましいのと同時に今日本のどこかに
実はすばらしいイラストレーターが育ってきていると
信じたいし、見てみたい。


で、展覧会はある意味非現実。でも現実の自分に
何かをくれる。で疲れ果てて帰ったはずなのに
家族からは「なんでそんなに微笑んでるの?」って
聞かれた。「なんだか幸せそう。」って
すっごく嫌なこともしんどいこともあった日なのにね。

音楽もそれと同じで
実際は自分には見えない世界を見せてくれるんだけど
現実の自分にとてつもない力をくれる。

きっと細美くんは今までになかった音楽で
自分がすごく大好きだと思える音楽を作ろうとしてて
同時にファンもそれと同じことを期待してる。

でも、今までになかった音楽にこだわるあまりに
ある意味自由じゃなくなっている気もする。

ある果物を絞って、そのもっともおいしい一滴を
絞りに絞って取り出すような感じで

針の穴に向かって飛び込んで行くような作業を
きっと今もしているんだろうね。

もちろん彼が音楽に対してやることならすべて肯定する。
身体を壊してしまうことをのぞいてはだけど。

どんな風にやろうが
それが彼のやり方ならそれを肯定する。

ただ、

自分の知らない遠くに咲く花の香りをふわっと伝えてくれるような
その人が毎日歩いている風景を見せてくれるような
ベランダから見える空の雲の流れのような
そんな音楽もほんとうは非現実で、
でも現実の自分にはいい作用をしてくれるから
その作り手の現実がたまに聴き手の非現実になって
いい作用することもあるのかなぁ~って


感情だけを絞りだしてくれる音楽ももちろん必要だけれど

たまになんの取り柄もないような灰色の街を歩いてても

「創造」の力が降りてくることもあるよね。

私はミュージシャンでもなんでもない普通の人なので
それをどこに活かせるのかまったくわかんないけれど
たまに仕事に使うこともあるし、絵を描くのも好きだから
絵にしてみることもある。まあ、自分だけしか見ないおめでたい
作業だけれど(笑)


結局、アメリカの誰かの短編にあるように
何かに追いつめられていたときに
目の前のインクツボの中にちゃぽんと
誤って入ったハエをペン先で取り出してると
一瞬にして思考が切り替えられることもあって
その瞬間、新たな力が芽生えるときもあるんだね。


まあ、何を言いたかったのか自分ではよくわかんなくなったけど


99%疲れてても残り1%の部分にcreationの力が入り込めば
99%の疲労も吹き飛ぶこともあるってこと。


栄喜さんが「無理せず頑張って下さい」って言葉だと
「がんばらずにがんばってください」ってことになるから
そんなのできないや!って言ってました。


ゆえに細美さんには「無理せず頑張ってください」なんて
絶対に言わない。


「とことんやってください。でもたまには自分の足の指先から
頭のてっぺんまで見て、自分の顔もしっかり見てください。
あと、こちらは細美さんを待つことに
かけてはかなり自信がありますから
待たせることにご心配はご無用」


細美さんを始め多くのアーティストが
どこかで音楽を生み出そうとしているから
今この自分が生きている世界が大好きです。

日々打ちのめされてもね。
救われるんだ。


ありがとう。



コメント (2)
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