私が学生だった頃大学の近くに冬は饅頭を売り、
夏はアイスクリームを売る店がありました。この店
の饅頭もアイスクリームも当時甘味に餓えていた学
生にとっては干天の慈雨のように感じていました。
粒あんの入った饅頭は初め2個15円くらいでした
が、当時のソバ屋で食べる盛り掛そばが1杯25円
でしたからかなり高価だったと思います。時代が変
わるにしたがって、饅頭の大きさが小さくなり価格
をそのままで売っていましたが、饅頭の大きさが小
さくなったという声が聞こえると価格を上げて元の
大きさにするということを繰り返していました。
ある朝通学の途中で案を作っていいる場面を見て
しまいました。小豆の粉と思われるモノをセメント
袋のようなものから大きな器に入れていました。そ
のすぐ近くに明らかに小豆の皮と思われる別の袋が
あって、それも器に入れてかき混ぜはじっめました。
青の美味しかった饅頭の餡はこうして出来上がった
ものだったのですね。それ以来食べる気がしなくな
りました。この程度は現今の偽装事件から見れば、
ほんの些細なことだったのでしょうがなぜか裏切ら
れたような感情を持ちました。飲食店は食品の下ご
しらえを客に目にさらすものではありませんね。
最近見つかった廃棄依頼を受けた不良食品を流通
に乗せてしまったというのは許せませんね。もしか
したら私も廃棄物を口に入れたかもしれません。
管理者あるいは役人の目が届かないところではあ
のような不正が日常的に行われていたのですね。役
人は、人員不足で手が回らないというし、廃棄依頼
者は信頼して廃棄を頼んだというのでというのです。
しかし数万枚から数十万枚の食品を廃棄するという
のは大変な仕事だと思いますが、依頼者にも責任が
あるのではないでしょうか。もちろん依頼された廃
棄業者はとんでもないことをしでかしたのですから
それなりの処分があるでしょう。
こういった事件ではどの程度の処分があるのか不
明ですが、もしかしたら重大な人名にもかかわる事
故になったかもしれないのですから、相当の責任を
取らされないと消費者は納得しないでしょう。