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浮気 31

2022-07-25 09:39:46 | 日記
「私は、浜田くんとは、付き合っていません。私が本当に好きなのは…」

という莉沙の言葉を遮って、神田は、浜田とはこれから仕事を一緒にする…と告げた。

莉沙は、さすがに口ごもった。

しかし、莉沙は負けていない。

せっかくのいいチャンスだと思ったのか、会話を続けた。

「私、実は、もともと神田さんに関心があったんです。」

「……」

「仕事も出来るし、素敵です。だから…」

「ボクも、実は、山下さんに関心があったんだ。」

神田は、笑子の方に向き直った。

…え?!

時間が止まった。

「どういうこと…?」

止まった時間を動かしたのは、莉沙だった。

「どういうことですか?神田さん」

「だから、関心がある…という意味だよ」

「私の関心という意味は、好意がある…という意味で言ったんです。」

「ボクもそうだ」

「だけど、先輩には、彼がいます」

「知ってる。ただ、関心を抱くだけならいいだろう?」

「……」

「解りました。今日は、帰ります」

莉沙は、少し早足で、出ていった。