それからの莉沙は、ランチの時も笑子の側に来なくなった。
笑子にとっては、ちょうどいい。
そして、すっかり元通りになった笑子と勇一。
神田の告白には、複雑な心境だったが、無かったことにしよう。
しかし、再び、勇一の『放置』が始まった。
LINEの既読がなかなか付かない。
確かに、急ぐ内容ではないけれと、あまり無視かれるとつらい。
「元気?仕事忙しい?」
この文章を送って1週間になる。
ある日のランチタイム、後輩の浜田がやってきた。
「山下先輩…、ちょっと聞きたい事があるんですけど…」
「…どうしたの?」
「莉沙が神田先輩に告白したって、本当ですか?」
「え?誰から聞いたの?」
「莉沙、本人からです。」
…莉沙は、破滅的な性格なのかも知れない。
「私は知らないわ。本人がそう言うならそうなんじゃない?」
「…そうですか…。」
浜田は、ガックリと肩を落とした。
「だけど、それが本当なら、これから神田くんと一緒に会社をやっていくには、困る状態よね。」
「あ、いいえ、神田先輩のことは、信頼しているので、彼女の件がとうであろうと関係ないです。」
…良かった…。