マンションの怪 22

2021-08-25 08:04:51 | 日記
「Y子!」

声を掛けたが、返事がない…。深い眠りなんだと思う。

ミシ…ミシ…と、謎の音が大きくなってくる。

『ミシ、ミシ、ミシ、ミシ……。ミシ、ミシ、ミシ、ミシ…』

4回の『ミシ』の後、一瞬間を置いて、また、『ミシ』が4回。

一定のリズムで音が近づいている気がする。

這ってる?

這ってるのかも知れない💦💦

「Y子!Y子!起きて!」

布団を被ったまま、Y子を呼んだ。

「う…う…う…」

何者かのうめき声だ💦💦

耳を強く塞いだ。

とりあえず、外界からの音や気配はシャットダウン出来たけど、恐怖は続いている。

あ、ちょっと待てよ…。

あの唸り声、何者か…ではなく、Y子だ。

Y子も、何かしらの恐怖と闘っているんでは…💦

すると、布団の足元に何かの気配が



マンションの怪 21

2021-08-24 08:42:14 | 日記
『パキン』と、小枝を折る様な音が部屋に響く。

『ぷ~ん』と言う音が心なしか、迫って来る感じがする。

気のせい!気のせい!

考えると嫌な想像しか出来ないので、考えるのをやめよう!

布団をかぶって無理やり眠ることにした。

耳を塞ぐと、物音は気にならない。

よしよし、このまま寝てしまおう。

ミシ…。ミシ…。


布団をかぶって、耳を塞いでいるのに、ミシ…ミシ…と、床か畳が軋む音が聞こえてきた。

ぐっと耳を塞ぐ手に力を入れた。

ミシ…、ミシミシ…。

だめだ…、聞こえる…。

おそらく、ミシ…ミシ…という音は、耳から入ってくるんじゃなくて、畳上に布団をひいて寝ているために、体感として床から伝わって来ているのかも知れない…。

しかし、体感だとすると、結構な軋みというか、振動だ💦

どうしよう…。Y子を起こすべき?

せっかく安心しきって熟睡しているのに、かわいそうだ…。

耳を塞いだ手を外すと、ベッドの軋みが聞こえた。Y子の寝返りだと思う。そういえば、さっきから何度か繰り返している。

Y子も、この気配に気づいているのかも知れない。

「Y子、起きてる?」

布団を被ったまま、声を掛けた。

「………。」

返事が無い…。

ただの寝返りなのかも知れない。

マンションの怪 20

2021-08-23 10:05:02 | 日記
『パキン…』

ん?なんの音?

『パキン…』

はっきりとではないけど、枝が折れるような音がする。

また、豆電球の薄明かりの中、部屋の中に目を凝らした。

もちろん何もない。

『パキン…!……パン、パキン!』

枝が折れるような音ではない…しかも、音が大きくなっている。

『ぷ~ん』

え?また、蚊?

『パキン』に混じって『ぷ~ん』も戻ってきた。

何だろう…気になる💦

さっきからY子は寝息をたてて寝ているけど、今度は私が眠れない💦

『パキン』は、壁の方から、『ぷ~ん』は、キッチンの方から聞こえる気がする…。

壁には、男の子と女の子の絵が…、キッチンに面したカウンターには人形がある…。

まさかね…。

考えるとキリがない💦





マンションの怪 19

2021-08-22 11:43:52 | 日記
ぷ~んという、蚊が飛ぶような音。

気になって見回した。
 
Y子は、『コワイから』と言って、明かりを消すことはせず、豆電球で寝ている。

だから、よ~く目を凝らせば見えるかも知れないが、心なしか、目を開けると音が止み、目を閉じると、またぷ~んと"何か"が飛ぶ。

もう、いいや、気にしないようにしよう。

ところで、蚊が気になって眠れずに部屋の中を見回していたが、『何か』が起こる様子はない。

Y子は寝たんだろうか…。

気のせいか、寝息が聞こえる気がする。

昼間も寝ていたようなのに…、笑

誰かが部屋の中にいる…という安心感で、眠れるんだろう…。

あれ?いつの間にか鬱陶しいぷ~ん…という音が静まった。

何も無さそうだ…。

そもそも、Y子は夢を見たんだと思うから、もしも、何かがあるとしても、これからだと思う…。




マンションの怪 18

2021-08-21 12:03:31 | 日記
いろいろと考えるとキリがないし、コワイ…。

とりあえず食事もそこそこに寝ることにした。


彼女のベッドの下に布団をひいて、彼女が寝静まるのを待つ。


彼女はどうやってベランダに行くんだろう…。

何かあった時に、気づけるんだろうか…。



遠くから犬の鳴く声…、外を歩く人の声…、ざわざわ…という音は聞こえて来ない。


そもそも、近隣に民家があるし、マンションにも他に住人がいて、あまり静まる様子は無い。


人の声がする。


テレビの音だろう…。

ザザザ…。

なんとなく、ラジオのチューニングみたいな音がした。

もしかしたら、これ?💦

だけど、その音は一瞬でおさまってしまった…。

どこかの家の音だろう…。

夜が更けるにつれ、静まり返ってきた。

本当に見えてはいけないモノが見えたらどうしよう…。


ぷ~ん…。

ん?蚊?

蚊の羽音のような音。

おそらく蚊なんだと思うが、遠くで一定のリズムを刻んでいる様な気がする。

ぷ~ん…。

…なんだろう…気になる。