浮気 29

2022-07-22 12:51:52 | 日記
「あのね…。ちょっと聞きたいんだけど…。浜田くんのこと、どうするつもりなの?」

最近、当たり前みたいに莉沙は、笑子さんと同じテーブルにやってきていた。

「…どう…って、どうかしないといけないですか?」

「うん…そりゃ、どっちつかずじゃ、ダメなんじゃない?」

「え?もしかしたら、神田さんが先輩に何か聞いて来たんですか?」

「え?そんなことは…」

言葉につまった。

「…やっぱりそうだ!先輩はちがう時はハッキリ違うって言うじゃないですか?言葉につまったってことは、そうなんですね。」

「……。」

「現時点では、私のことを相手にしてくれているのは、浜田くんだけなのに、"どっちつかず"って…表現したってことは、神田さんの存在も先輩の頭の中には選択肢としてあるってことですよね。

「……。」

揚げ足をとられた…というか、会話の罠にハマった気がした。

「神田さんに言ってください。神田さんのことは、本当に好きですし、浜田くんとは別れます…って。」

「町田さん…。」



浮気 28

2022-07-21 08:52:26 | 日記
「町田さんのことなんだ…。」

…やっぱり…。

「浜田から相談を受けて、町田さんとのこと…」

「うん…」

「浜田とは、付き合っているような関係だとか…。だけど、町田さんからは、食事に行こう…ってLINEが来るから、どうしたものか困ってる…。食事くらいなら…と、思っても、浜田にしたら面白くないよね。」

「…そうね。」

「…どうしたものか…。会社のイメージ動画に協力して貰っているから、無下に断れなくて…」

「浜田くんのことを考えたら、彼女とのことはちゃんと考えた方がいいのかも知れないね。」

「君に相談しても困るとは思うけど…。誰に相談すべきかわからなくて。とにかく浜田には、今後会社を手伝ってもらう可能性があるんだ。だから、浜田との関係を大切にしたいんだ。」



浮気 27

2022-07-19 13:18:25 | 日記
笑子さんの恋愛は、しばらくは、順調に続いた。

莉沙は相変わらず、神田にアプローチをしているようだが、今一つ相手にされていないようだった。

浜田は、莉沙にあまり構って貰えていないことに気付いて、諦めモードだ。

「今度、食事でもどう?」

神田からLINEが来た。

今のところ、勇一とうまくいっている状況なので、神田と出掛けるのは、良くないだろう…と、思ったが…。

「実はちょっと、相談したいことがあって…」

と、追伸があった。

…莉沙のことだろうか…?

彼女、神田を気に入って、しょっちゅうLINEしているようだし…。

とりあえず、食事に行くことにした。

浮気 26

2022-07-17 12:52:45 | 日記
やっと念願の旅行へ行ってきた。

旅行中の勇一は、とても優しく、一時は、ダメかも知れない…と思ったのに、出掛けてみると、しっかりと配慮してくれて、安らげる。

やっぱりこれからも彼と一緒に過ごしたい…と思わせる。

それでも、少し気になることがあった。

彼は二人でいても、よくLINEをチェックする。

そして、自分たちの未来の話しをすると、話題を替えられる。

LINEは、仕事関連かも知れない…と思い、未来の話しは、これから徐々に…ということなんだろう…と、自分に言い聞かせた。



浮気 25

2022-07-16 11:46:52 | 日記
「旅行!チケットとるよ。那須に行こう!」

「忙しくないの?」

「大丈夫だよ。やっと時間がとれた!君、那須高原に行きたいって言ってたよね」

「うん。」

話しのついでに、子供時代に那須高原に行った話しをして、また行きたいと言ったこと覚えていてくれたのがうれしかった。

「ごめんね、いつも忙しくして、君のこと後回しにして。」

「ううん。仕方ないよ。」

やっぱり優しい。