何の前宣伝も知らずに、これを見てみようと、さっと出かけて映画館に入った。
すぐに、映像美のある映画だと画面に惹き入れられる。 主人公の武士は、刃を顎に当て、ひげと摩擦して音が生じる。そして動作を止めるから
時間が男の回想へと移行する、1,2秒ほどのセクシーな髭を剃る効果音。上手だ。ああいう音は、時々大音響をたてるアクション音や盛り上がり音楽とは違って地味なゆえ、
うまく使われたと思う。
そのままモノトーン効果で占められた映像とドラマを、息もつかせずに持続し、進行した。盛り上げる音楽はあっただろうかと思い出すほど、
最後の製作スタッフの画面まで見た。文化庁の助成金らしき字面があった。
久しぶりに手探りでハンカチを探した。内容は見てのお楽しみ。 テーマは許し。
降る雪に 忘れじなと 古からぬ粋かな
哀しきところ 行きたくもなし 我がためと