「情熱の国」としてスペインがあげられるのか、フラメンコやカルメンを思い出したりもする。
が、私には大した予備準備もなく「行ったことのない国」として候補先を定めた。本の道案内はトルコ・イランを教えてくれたスペインのクラヴィーホの旅行記があっただろう。
夏はとても暑いそうで、5月を選んだものの、内陸にある都市は朝晩の気温差は大きく、つい3週間前の中旬の週は内陸のコルドバでは真夏で38度、42度さえ
示された。マドリッドに着いてからコルドバに行くための切符を手配するのに当たって、スペインパスを現地で購入し、大まかな移動を滞在先に合わせてチケットの予約を行った。
結局、8回ほどのパスを全部使いきり、それ以外はドラジャという年齢特例のカードを予め6か8ユーロで購入し、割引運賃で移動することになった。座席時間の予約については、空いている最寄りの駅で
予約や変更も可能なので、便利に使えたと有難く思っている。駅員さんに尋ねれば、十分な現地滞在時間さえ、返ってくる。対応はよく、往復の切符は現地の人に聞くのがいちばんだった。
帰国の際の空港行きの地下鉄車内でも、警備の私服警官がいて、その視線挙動を観察すると、、なんちゃって補佐ぐらいになっていたかもしれない。しっかりと旅行者を見守っているのが
わかって、これからの旅候補としてPR記録しておこう。
5月はプラタナスの綿毛が舞う季節で、コルドバの駅からホテルに向う途中、土埃が舞っていたので、なんだろうかと一区画先を見ていたけれど、後で、薄茶色の綿毛の乱舞だったのだろうかと受け止めている。
初めての体験にマスクすら有効だと思いつくくらいだった。日差しの強い地域では、夏の木陰には多いに恩恵があるのだろうと、移動したマドリッドの中心街のプラタナス街路樹を見ては、考える。
避暑地として有名なアビラは初冬の気温で、コートが欲しいくらいだった。帰りの電車を待つホームで、あえてプラットホーム外の線路際の日差し欲しさに
立っていると、宙にはやはりプラタナスの綿毛が舞っている。それはまるで printemp(な)s neige とでも呼びたいくらいだった。 シスターはナイロン製の短い靴下にサンダル履きで、
毛織物もコートも身につけず、「これっきり着ていませんよ」と、携帯電話を終えた後、修道服の裏を返してみせた。(頭から首そして肩・胸元までと、衣服は合理的なデザインだ)
スペインには中世の都市がまだよく残され、世界遺産として守られていると、毎日お出かけしては、探訪をひとり満喫していた。
それにしても、アジアから欧州へはかなり時差があり、その解消として旅先でよく動くのだけれど、日はなかなか沈まず、「沈まぬ都市、無敵艦隊」にふさわしいとひとり王宮のチャペルを度々思い出していた。
(天使あるいは女神の像がチャペルで灯りをつりさげている。少なくともチャペルでは女神然として、物をもたず、人の上に君臨するのだろうとおもうが、人と同様なしぐさで誂えられ、チャペルに座る王室関係者を照らす役割を担い、きわめて印象的だった。講堂内は、黄金とマホガニーあるいはクリ茶色で、強さそのものが感じられ、まさにスペインの絶頂期に造られただろうかと、感じ入っていた。)
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