音楽を生で聞きたくなり、たまたま見つけたのが「楊貴妃」という能楽をみつけた。どんなの?
でかけると、駅の長いプラットホームを歩きだらだらと坂を登って行ったような学生時代を思い出した場所だった。
いつ頃制作されたのか・・・他の演目に「海士」というのもあって、動物(竜)がでるというので、最後まで観賞した。
以前、釣狐をみたこともあって、ダイナミックな演技に惹かれて期待はしたものの、頭飾りに竜がついているだけだった。
能につぃての本を読んだこともないけれど、小鼓の音は現代ではあまり聞く機会もなく、紙風船をわったのでもないポンという柔らかい音は心地よい。
能のおぜん立てはだいたい決まっていて、能面をつけない現世の人が亡き人の霊(能面をつけた人)と対話する。能面をつける演者は、
声がこもり、あまり歌のことばが伝わらない。現代的な舞台装置だと、電光掲示で文字で示されるだろうが・・・・
あの世の能面をつけた人が悔やまれた気持を表して現世の人に舞いをふるまい、元の鞘に収まる。そんな一連のように思われた。
能楽が盛んだったのは武士の時代だっただろうか。武将同士が切ったり切られたりと命の悔恨・御霊への気持の取り直し方
そんな事情もあったりはしなかっただろうか、と読み本もなしで歌のように地唄を聞きながら考えてもいた。
能の舞いは松を背景にした舞台で、床に正座した総勢者を従い、広さがかぎられている。小鼓や笛のテンポ良い演奏に反し、動きは極く小さい。
けれど、海士の中で登場した声の良く通る子役にしても30分いや、それ以上たじろがずにじっと同じ姿勢を保つのは和芸の真髄なのだろうか、とも考えていた。
観客はといえば、会費会員が多そうで、時流を反映していた。
ボレロを舞踊家総勢で踊っている画像もあり、画期的だ。
能楽にダイナミックな企画を期待している。
6月26日 観世流小鼓 発表会 国立能楽堂 来場歓迎・入場無料