京極夏彦著 講談社 2010年5月15日初版
京極さんにしては珍しい現代もの。
ワタライケンヤという無礼で、学歴もあんまりなくて、バイトしてもすぐくびになる・・・言葉づかいもイライラする24歳の男が、たった4回ほどしか関わりのないアサミという名の・・・殺された女の事が知りたい、と、生前に関係のあった何人かを尋ね歩く所から始まる物語。
このケンヤという男の描きっぷりが秀逸だと思う。
愚鈍のように見せかけて、実は話し合っていくうちに、アサミに関わった全ての人のなかに巣食う、不平や不満や情けなさや、自己欺瞞、嘘、言い訳・・・なんかを白日のもとにさらす・・・というか、会話から分析していって、彼らに告げる言葉がある。
「死ねばいいのに」
そんなに文句ばっかりで不満で、そのくせ自分からなんとかしようという気もなくて、自分の不幸は全部、他人のせい・・・辛い辛いと言ってるなら・・・ちっとも幸せじゃないし、この先もいい事なんて起きないと言ってるなら・・・(いっそ)死ねばいいのに。 と。
乱暴なことを言ってしまえば、このケンヤという人物はうんとお育ちの悪いDAIGOのような喋りっぷりなのだ。
確かに、いらいらさせられる。
でも、いつの間にか心の奥に秘めていたどろどろとした汚い感情を引きだされて整理までされてしまう。
けっして愚鈍な青年ではない。
語るに落ちたり、というか。 刑事コロンボ的というか。
まぁ、京極堂シリーズの、関口の頭に中禅寺を詰め込んだ、とでもいう役回りか。
淡々と淡々と進んで、勿論、最後に大どんでん返しが待っているわけだが、一気読みできる作品で面白かった。
京極堂シリーズがちょっとどうも苦手、という方にもこれはお勧め。
京極さんにしては珍しい現代もの。
ワタライケンヤという無礼で、学歴もあんまりなくて、バイトしてもすぐくびになる・・・言葉づかいもイライラする24歳の男が、たった4回ほどしか関わりのないアサミという名の・・・殺された女の事が知りたい、と、生前に関係のあった何人かを尋ね歩く所から始まる物語。
このケンヤという男の描きっぷりが秀逸だと思う。
愚鈍のように見せかけて、実は話し合っていくうちに、アサミに関わった全ての人のなかに巣食う、不平や不満や情けなさや、自己欺瞞、嘘、言い訳・・・なんかを白日のもとにさらす・・・というか、会話から分析していって、彼らに告げる言葉がある。
「死ねばいいのに」
そんなに文句ばっかりで不満で、そのくせ自分からなんとかしようという気もなくて、自分の不幸は全部、他人のせい・・・辛い辛いと言ってるなら・・・ちっとも幸せじゃないし、この先もいい事なんて起きないと言ってるなら・・・(いっそ)死ねばいいのに。 と。
乱暴なことを言ってしまえば、このケンヤという人物はうんとお育ちの悪いDAIGOのような喋りっぷりなのだ。
確かに、いらいらさせられる。
でも、いつの間にか心の奥に秘めていたどろどろとした汚い感情を引きだされて整理までされてしまう。
けっして愚鈍な青年ではない。
語るに落ちたり、というか。 刑事コロンボ的というか。
まぁ、京極堂シリーズの、関口の頭に中禅寺を詰め込んだ、とでもいう役回りか。
淡々と淡々と進んで、勿論、最後に大どんでん返しが待っているわけだが、一気読みできる作品で面白かった。
京極堂シリーズがちょっとどうも苦手、という方にもこれはお勧め。
これ口癖のヤツがリアルでいるので気になる本ではある。
さて今日から3連休。何をしようかな~?
加筆・訂正、最終章を書き足したものみたい。