准教授高槻彰良の推察 夏の終わりに呼ぶ声
澤村御影著 角川文庫 令和6年 11月25日
EXを含めて13作目のシリーズ。
段々と佳境に入って来たなーと感じる。
高槻彰良も、深町尚哉もどんどん強くなってきているよ。
そして、謎が解けるのか? ますます深まるのか??
傷痕のメッセージ
知念実希人 著 角川文庫 令和6年 9月25日
いつもながら、現役医師の描く世界だわ。
普通、思いつく . . . 本文を読む
佐々木蔵之介さん主演で、「破門フェデリコ二世」という舞台を観に行ったのは9月の事。
フェデリコ二世というのが、なかなかに秀でた人物であの当時だとぶっ飛んだヒトだったんだなーというのはよく分かったけれど、世界史大嫌いだった私には時代背景がよく分からなくて、くたばれ十字軍というサブタイトルもついているので、ああ、十字軍遠征の時代なのね、という程度。
これはしっかり勉強すべきだと、塩野七生さん . . . 本文を読む
最後の晩ごはん 優しい犬とカレーライス
椹野道流 著 角川文庫 令和6年 7月25日 初版
最後の晩ごはんシリーズ20作目
今回は、朗読の舞台の練習用に作家の淡海五郎の家の一室を借りている五十嵐海里が、そこで大きな黒い犬に出合う所から始まる物語。
その黒のラブラドールレトリバーは、淡海の屋敷からでもさほど遠くない家で飼われている犬だった。
犬に導かれてその屋敷を訪ねたら、屋敷では飼い主 . . . 本文を読む
知念実希人 著 実業之日本社文庫 2024年 10月15日 1刷
天久鷹央の事件カルテシリーズの最新作。
このあいだまでのビブリア・・・に比べるとサクサクと読み進められて面白い。
いつもながらの、鷹央と小鳥遊と鴻ノ池舞のトリオが鷹央の元恋人!!の長野の山奥の洋館に住む燐火の招きを受けて、遺産相続をめぐる不思議な事件を解決するというストーリー。
やっぱり、医学的な知識が無いと書けないストー . . . 本文を読む
ビブリア古書堂の事件手帖 Ⅳ ~扉子たちと受け継がれる道~
三上 延著 メディアワークス文庫 2024年 3月25日初版
整形外科のお供(笑)
扉子さんになってからのシリーズ4作目。
3作目の時にも同じ感想を持ったものだけど、栞子さんの時の方が面白かったな。
どうも娘の扉子がメインになってから、ページを繰る手が止まりがち。
今作も戦時中に、鎌倉の文士たちが立ち上げた『鎌倉文庫』が下敷き . . . 本文を読む
花房観音 著 新潮文庫 令和6年 9月1日
この著者の本は初めて。
なんとなく、京都に縁のありそうな本は手に取ってしまう。
6編の短編集。 最後のものだけを除いて、舞台は京。
八瀬だの、六角堂だの、大原三千院だの、糺の森(ただすのもり)だの、馴染みの地名が出てくる。
文庫の表紙でも分かるように、かなり官能的な・・・エロい(笑)小説。
確か、新聞の書評で目にして、これ読みたい!と軽い気持ち . . . 本文を読む
桜木紫乃 著 集英社文庫 2023年 7月19日 2刷
久しぶりに桜木さんの本を読んだ。
ああ、この人はこんな感じの文体だったな~、こんな雰囲気の作品を書く人だったな~と、思い出しながら読んでいた。
はっきりと自信はないけれど、こういう色合いの作品が多いのは著者の生まれ育った北海道、という土地柄も影響してるのかな。
やっぱり寒くて冬の長い土地、雪に閉ざされる土地、そういう場所で生まれ育つと . . . 本文を読む
山口恵以子 著 ハルキ文庫 2024年 7月28日 第2刷
『食堂のおばちゃん』シリーズの16弾目。
この前に読んでいたのが『地面師たち』だったので、なんだかとてもホッとする(笑)
甘いものとしょっぱいものを交互に食べるとどんどん食が進むように、本もハードなえぐい?ものと、この食堂のおばちゃんシリーズみたいなほっこりするものを交互に読むと、どんどん本が進む(笑)
鴨川食堂もそうだけど、こ . . . 本文を読む
新庄耕 著 集英社文庫 2024年 7月21日 7刷
世間でえらく評判になっているらしい。
Netflixで映像化されていて、またそのキャストがいかにも・・・な俳優さんを集めているとか。
実際にあった事件が下敷きになった小説で、なんせおどろおどろしい。
半分ぐらいまで読み進めていたら、息子が『ネトフリ契約した』と。
最初は金払ってまで見なくてもいい、って言ってたから本にしたんだけど。
本 . . . 本文を読む
石田祥 著 PHP文芸文庫 2024年 7月22日
猫を処方いたします。シリーズの3作目。
人生に疲れた人が、うまくいけばたどり着けるメンタルクリニック。
前にも書いた通り、京都市中京区麩屋町通り上ル六角通西入ル富小路通下ル蛸薬師通東入ル、にある古ぼけたビルジング(笑)の5階。
地図を見てもらったら分かるように、この住所だと碁盤の目になった京都の街をただ四角く歩いて元に戻ってしまう。
本当 . . . 本文を読む
柏井壽 著 小学館文庫 2024年 7月10日
鴨川食堂シリーズの11作目。
それまでの京都駅・東本願寺の近くにあった店から上賀茂神社にほど近いところに移転してからの話。
食堂の方は娘のこいしと婚約者?で回していて、その裏手にある立派な京町家が探偵事務所になっている。
そこで、元刑事の鴨川流の作るめっちゃ美味しそうな料理に舌鼓を打った後で『(思い出の)食さがし』の聞き込みが始まる。
東本願 . . . 本文を読む
戦乱の世を無くすために、一方はどんな攻撃をも跳ね返す鉄壁の楯(石垣)を積もうとし、他方は、反撃する気すら起こらないような圧倒的な矛(武器)を作り出そうとする。
石垣職人の穴太衆(あのうしゅう)と、鉄砲鍛冶の国友衆。
時は関ケ原。天下分け目の闘いのころ。
琵琶湖畔に建つ大津城を舞台に、この楯と矛とがぶつかり合う。
湖国が近いので、穴太衆のことは知っていたし、彼らが積んだ野面済みの石垣もまだ . . . 本文を読む
小路幸也 著 PHP文芸文庫 2024年 1月23日 1刷
著者のすべての神様の十月シリーズの3作目。
これ、ずいぶん前に買っていたのに、読むのがほぼ半年後になってしまいました。
積読本の一番下になっていたり、誰かから借りた本を先にとにかく読んでしまおうとしたり。
あ~でも、もっと早く読んでおけば良かった。
というのも10個入った短編集なんだけど、その中に『方向音痴は治りません』というの . . . 本文を読む
早見和真 著 ハルキ文庫 2024年 5月18日
前作の『店長がバカすぎて』の続編。
以前いた山本猛店長が宮崎の山奥の書店に移動していたのに、武蔵野書店吉祥寺店に戻ってきた。
もう、この山本猛店長の空気を読まない感じがすごすぎる(笑)
人を苛立たせる天才。
私が彼のもとで働いていたら3日と持たないと思う。大喧嘩して口汚くののしって辞めるだろうな。
もっとも、彼はどうして自分の部下たちが苛 . . . 本文を読む