エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

思い出のとき 修理します 3 空からの時報

2014-12-26 15:23:58 | 
谷瑞恵 著  集英社文庫  2014年12月25日 第一刷


私は友人に恵まれている。
ちょっとバタバタして本屋に行く時間が少なかったりすると、『○○の発売日はいついつ』『△△出てたよ!』という具合に本好きの友人からお知らせメールが届く。
おかげでシリーズものを読み落とさずにすんだりして、とてもありがたい。

さて、この『思い出のとき 修理します』もこれで3冊目。

さびれた商店街の片隅で細々と時計の修理をする秀司。

都会で傷ついてこの町にやってきて住みつくことになった美容師の明里。

秀司の店は祖父の代からの古い店で、表にかかっている看板は『思い出の時 修理します』になっている。
これは思い出の時計、の計が抜け落ちただけのものなんだけれど、この『計』があると無しでは大きく意味合いが違ってくる。

そう、この店を訪れる客は単に時計を修理するだけにとどまらず、思い出の時、もいつしか修理されているのだ。

今回のテーマは『過去をやり直せたらいいのに』というもので、客の過去だけでなく秀司の恋人でもある明里の過去も出てきて修理の対象?となる。

それにしてもこの秀司と明里の恋は、ずいぶんと昔の記憶に繋がる(笑)
恋愛中、、、恋愛の初期のころって、うきうきしたり楽しかったりというよりはどっちかというと辛くなかった?
相手を好きになればなるほど不安も募るし、自信もなくなるし、嫉妬や猜疑心だって出てくる。
今なら簡単に連絡が取れるかもしれないけれど、私の若いころにはパーソナルフォンなんてないし。
いつ電話があるかと思うとおちおちお風呂にも入っていられなかった(笑)

まぁ、今でも携帯があって、あっという間に連絡できるツールも手に入っているけれど、だからといって、いつもかもメールしたりLINEしたり、なんの躊躇いもなく出来る人って少ないんだろうと思う。
こんなにしょっちゅうメールして大丈夫かなぁ? しつこい? 重い? なんて考えて手も足も出ないとか、なまじそばに電話があるのにビッとも鳴らないそれを恨めしく見つめてみたり。。。

というような、、、いい歳したおばさんが書き連ねるのも気持ち悪いだろうけれど、、、恋の痛みが散らばっている。

これで結構わたしも、思い出の時を修理されているのかもしれない(笑)

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2 コメント

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ヾ(@⌒ー⌒@)ノ (ポンチ姫)
2014-12-27 19:32:20
ちょっと気持ち動きましたわ
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こんばんは (楽母)
2014-12-27 22:12:20
ポンチちゃん
派手さはないけれどしみじみする二人なんだよね。
今回は懐中時計が出てきたの。
思わず、うちで眠ってる懐中時計をひっぱりだしてきて磨いたわ(笑)
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