先日、「面白そうな小説がないかなあ。」と、近くの図書館に行った。日曜の午前中という事も在ってか、思った程来館者が多くなかったので、館内の奥まった所に在る椅子を確保。其処に座り、ピックアップした小説を読んでいたのだが・・・。
1時間程経過した頃、高齢者と思しき男性の怒鳴り声が耳に飛び込んで来た。時折、館内を走り回る子供の叫び声は聞こえて来るも、基本は“静かな空間”。どうやらカウンターに居るスタッフを怒鳴り上げている様だ。
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爺さん:「だからさあ、俺は『XX』という雑誌が読みたいんだよ!其れなのに此処は、閲覧用に定期購入&置いていないだろ!!」。
スタッフ:「申し訳御座いませんが、予算の関係も在って、閲覧頻度が高い雑誌を優先して定期購入&置いていまして・・・。」。
爺さん:「此の『△△』や『○○』(共に雑誌名)なんかが、閲覧頻度高いって言うのかよ!こんなの読む奴少ないだろ!『XX』の方を読みたいって人間が多い筈だから、早く取り寄せろ!!」。
スタッフ:「皆様の御要望を元に、スタッフが逐一打ち合わせを行い、其の結果として定期購入する雑誌を決めておりますので、申し訳御座いませんが直ぐに取り寄せるという訳には・・・。」。
爺さん:「四の五の言ってるんじゃねえよ!納税者の俺が依頼しているんだから、とっとと取り寄せれば良いんだよ!!」。
スタッフ:「いや、そういう訳にはいかないんですよ。申し訳在りませんが・・・。」。
爺さん:「御前じゃ話にならない!館長を直ぐに呼べ!!」。
スタッフ:「館長を呼ばれましても、話は変わらないのですが・・・。」。
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「執拗に怒鳴り上げる爺さん」と「抑え気味の声で申し訳無さそうに答えるスタッフ」という構図の遣り取りが、数分続いただろうか。余りに煩く、そして迷惑なので、席を立って爺さんに注意に行こうと思った刹那。
「御前達は、本当に非常識だな!誰も読まない雑誌の定期購入を止めて、住民が読みたい雑誌を定期購入するのが常識だろ!?そんな事も、此処のスタッフは判らないのか!全く非常識だ!!」。
そんな捨て台詞を吐かれた後、館内は急に静かになった。どうやら件の爺さんは、立ち去った様だ。
爺さんが取り寄せろと言っていたのは、趣味系の雑誌。雑誌名は知っているけれど、そんなに需要が高いとは思えない代物。一方、爺さんが「こんなの読む奴少ないだろ!」と決め付けていた2つは、矢張り趣味系の雑誌で、一般的な知名度も高く、「読みたいと思う人は多いだろうなあ。」と思ってしまう物。「何処の図書館にも置かれている雑誌では無く、置かれていない様な雑誌を置け。」という事なのかもしれないが、自身の価値観を絶対的な物とし、其れが「常識」と断じる爺さんのスタンスには唖然。
普段もそんな感じなのか?其れとも、普段は抑えている感情が、“弱い立場(反論出来ない立場)の人間”に対して打ちまけられているのか?知り様が無いし、又、知りたくも無いが、少なくとも「良い年をした人物が、静寂さを保つべき場所で、執拗且つ延々と怒鳴り上げるという行為。」の方が、余程非常識なのは確かだろう。
正直、爺さん連中は(同年代の女性と比べても)マナーがわかって無くて独善的な人が多いので
他のところでも同様のトラブルはよく起こってるのでしょうね。
自分の常識=世界の常識、自分は正義と思い込んでいる人をちょくちょく見かけます。
電車とかで若い衆とけんかになっているときも、よくよく第三者から見ると、爺さんのほうに非があることが多いのですが
・・・全く認めないですね
勿論例外も在りますが、概して恒例になると、妙に意固地になったりし勝ち。自分の母親にもそんな傾向が見られますが、此れも概してですが、男性の方がそんな割合が高い気がします。恐らくは「過去の経歴」を引き摺った儘、「こんなにも偉かった自分が言う事を、御前は何で聞けないんだ!」という奢りも加わっているのではないかと。「人の振り見て、我が振り直せ。」というのを改めて感じました。ああいう爺さんになっては、本当に恥ずかしい。
その雑誌は市内の数ヶ所の書店でもそれぞれ1、2冊置かれているのを眼にします。
一方、時々講読している後発の雑誌の方は、書店に1冊しか入ってこないようで、出遅れると買えない事がしばしば。知り合いには確実に手に入れるために定期購読にしたり、アマゾンで買っている人もいます。
購入者の絶対数というのもあるのでしょうが・・・。
老舗で有名だけど今やカタログ誌化しているその雑誌と、後発で知名度はいまひとつらしいが内容はほどほどに良い雑誌。市立図書館は前者(だけ)を選んでいるんですよねえ。
そこのところを考えると、その爺さんの拘りもまあ、全く分からないわけでもないか・・・(笑)。
わたしは図書館員を怒鳴りあげる勇気(?)は持ち合わせていませんが(笑)。
記事でも書いたのですが、「何処の図書館にも置かれている雑誌では無く、置かれていない様な雑誌を置け。」という考え方は、自分も理解出来ます。「一定範囲内に在る図書館の蔵書ならば、取り寄せて借りる事が出来る。」というスタイルが普及している中、特定の雑誌は腐る程置かれているのに、知名度が劣る雑誌は無かったり、置かれていても極めて冊数が少なかったりする。だから「公的施設ならばメジャーな物許りに目を向けるのでは無く、マイナーな物も置いて欲しい。」という考え方は判るのですが、件の爺さんは最初から居丈高な感じで、「俺の言う事が何で聞けない!」という態度なのが、非常に不快でした。(カウンターの周りに居た人に聞いた所、最初は静かに話していたのに・・・という感じでは無かった様です。)
以前、スーパーで「牛肉パックが御菓子売り場に置かれている。」等、明らかに別の場所に置かれていた物を、態々他の場所に放置しているケースを屡々見掛ける事を記事にしました。(其の際に触れたかもしれませんが)駐車場内でカートを放置している輩も、結構居ますよね。端っこに申し訳無さそうに放置しているなら未だしも、車を停めるスペースにドカン!と置いてある事も在り、「一体、どんな神経をしてるんだ!」と憤ってしまいます。結局は、「自分さえ良ければ、人の事なんか知ったこっちゃない。」という思考しか無いんでしょうね。
何等かの病気が起因しているならば止むを得ないのですが、どうも最近は「自身のストレスを、無関係で弱い立場の人間にぶつけて晴らす。」という人が増えている様に感じます。子供ならばいざ知らず、良い年をした大人が・・・恥ずかしいですね。