海外の風習や景色が楽しめるので、「世界ウルルン滞在記ルネサンス」は好きな番組の一つだ。先だって放送された同番組では、俳優の夏木陽介氏がタイで象の水中レースにチャレンジされていた。久し振りに夏木氏の姿を拝見したが、今年で72歳という。年齢を考えれば若いのだろうが、昔の彼を知っている身としては「やはり老けたなあ。」という思いが。そして若かりし頃の彼が出演していたドラマ「Gメン’75」を無性に見たくなり、レンタル・ショップでDVDを借りて来たのだった。
このDVDには記念すべき第1話「エアポート捜査線」*1及び「1月3日 関屋警部補・殉職(第33話)」、「また逢う日まで響圭子刑事(第103話)」、「77.5.14 津坂刑事殉職(第104話)」と、Gメン’75のファンにとっては堪らない4話が収録されている。今回の記事では第、1話「エアポート捜査線」に付いて書いてみたい。
1970年代の子供は、女の子ならば「ひみつのアッコちゃん」の「テクマクマヤコン テクマクマヤコン ○○になれ~!」とコンパクトを広げて呪文を唱える真似をしただろうし、男の子ならばウルトラ・シリーズや仮面ライダー・シリーズの変身シーンを真似た者が多かった筈。そして男女を問わずで言えば、1975年から放送開始となった「Gメン’75」の有名過ぎるタイトルバック、あの刑事達が陽炎の立ち込める滑走路を横一列で歩くシーンを真似した者は少なくないと思う。「沖縄米軍基地問題」や「交通遺児」、「安楽死」、「警察官の犯罪」といった社会派のテーマを多く扱ったり、一般人が容易くは海外旅行出来なかった当時に香港やパリ等でのロケ(動画)が在ったのも魅力的だった。大好きな脇役の一人・蟹江敬三氏が冷酷な凶悪犯・望月源治として登場する回は、背筋が凍らんばかりの恐怖心を感じ乍らも夢中になって見ていたもの。刑事ドラマの中では、否、刑事ドラマに限らずTVドラマの中ではトップ・クラスに好きな番組が「Gメン75」だった。(当ブログでは画像を使い回さない様にしているが、今回使用した画像は例外で多分過去2回使用している。*2それ程好きな番組なのだ。)
****************************
黒木哲也[警視庁・警視](丹波哲郎氏)
小田切憲[警視庁捜査一課・警視](夏木陽介氏)
関屋一郎[警視庁捜査一課・警部補](原田大二郎氏)
山田八兵衛[警視庁捜査三課・刑事](藤木悠氏)
草野泰明(汪雲龍)[警視庁捜査四課・刑事](倉田保昭氏)
響圭子[警視庁外事課・刑事](藤田美保子さん)
津坂真一[警視庁捜査一課・刑事](岡本富士太氏)
****************************
「ハードボイルド・Gメン’75。熱い心を強い意志で包んだ人間達。」今は亡き芥川隆行氏の渋いナレーションと共に「警視庁庁舎から独立した捜査班」、即ち「Gメン」の初代メンバー7名が滑走路を横並びで歩く姿が。どのメンバーも個性的だ。「キイハンター」の時代から好きだった丹波氏や「アイフル大作戦」の時代から好きだった藤木氏、「鳩子の海」の頃から気になる女優だった藤田さんと、「良くぞ此処迄、素晴らしい俳優を揃えたものだ。」と感心してしまう。そして何と言っても“和製ドラゴン”こと倉田氏の存在は、「Gメン’75」を語る上で絶対に外す事は出来ない。自分にとって最も印象的なアクション・スターはブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏等では無く、倉田氏だと言っても過言では無い。
黒電話、人々の服装、(成田国際空港が無かった時代の)羽田空港、旧型の車や機体等々、33年前の“歴史”が映像に封じ込まれている。*3カー・チェイス、モノレールを猛追する車、滑走するバスに歩道橋から飛び乗る倉田氏とドキドキするシーンが幾つも。ストーリーが全く色褪せていないし、悪役で登場する川地民夫氏や田中浩氏、室田日出男氏、寺田農氏の演技も光っている。エンディング曲「面影」(こちらにて聞く事が出来る。)を始めとして、情感溢れる曲々が使用されるタイミングは絶妙。見終えた後に漂う哀愁は、33年前に感じたのと全く同じだ。
誤って“同僚”の響刑事に拳銃を向けてしまった津坂刑事を、黒木警視が羽交い締めにして言い放った台詞の一部を今回のタイトルにした。防弾チョッキを着用させているとはいえ、容疑者の土手っ腹に銃弾を撃ち込んで自供させる等、「人権問題で良く槍玉に挙げられなかったものだ。」と思ってしまう黒木警視。丹波氏が演じると実に様になる。もっと長生きして、素晴らしい演技を見せて欲しかった・・・。
「おい!女に向かってハジキを振り回すとは何事だ、御前!ハジキってのは滅多に抜くもんじゃねえんだぜ。抜いたら誰かが怪我するじゃねえか!」
名作は時を経ても名作なり。
*1 「Gメン’75」に脇役として多く出演されていた山浦栄氏(写真)。第一話にも登場していた彼だが、現在も御元気で活躍されている(近影)。
*2 「『歌謡Gメン あのヒット曲の舞台はここだ!』 Part1」及び「黒木警視逝く」がそれ。又、「どっきりカメラじゃあるまいし・・・」の文尾では、藤木悠氏への思いをチラッと記している。
*3 第104話で多用されていた「ズベ公」という言葉も、最早死語と言っても良いのではないだろうか。
このDVDには記念すべき第1話「エアポート捜査線」*1及び「1月3日 関屋警部補・殉職(第33話)」、「また逢う日まで響圭子刑事(第103話)」、「77.5.14 津坂刑事殉職(第104話)」と、Gメン’75のファンにとっては堪らない4話が収録されている。今回の記事では第、1話「エアポート捜査線」に付いて書いてみたい。
1970年代の子供は、女の子ならば「ひみつのアッコちゃん」の「テクマクマヤコン テクマクマヤコン ○○になれ~!」とコンパクトを広げて呪文を唱える真似をしただろうし、男の子ならばウルトラ・シリーズや仮面ライダー・シリーズの変身シーンを真似た者が多かった筈。そして男女を問わずで言えば、1975年から放送開始となった「Gメン’75」の有名過ぎるタイトルバック、あの刑事達が陽炎の立ち込める滑走路を横一列で歩くシーンを真似した者は少なくないと思う。「沖縄米軍基地問題」や「交通遺児」、「安楽死」、「警察官の犯罪」といった社会派のテーマを多く扱ったり、一般人が容易くは海外旅行出来なかった当時に香港やパリ等でのロケ(動画)が在ったのも魅力的だった。大好きな脇役の一人・蟹江敬三氏が冷酷な凶悪犯・望月源治として登場する回は、背筋が凍らんばかりの恐怖心を感じ乍らも夢中になって見ていたもの。刑事ドラマの中では、否、刑事ドラマに限らずTVドラマの中ではトップ・クラスに好きな番組が「Gメン75」だった。(当ブログでは画像を使い回さない様にしているが、今回使用した画像は例外で多分過去2回使用している。*2それ程好きな番組なのだ。)
****************************
黒木哲也[警視庁・警視](丹波哲郎氏)
小田切憲[警視庁捜査一課・警視](夏木陽介氏)
関屋一郎[警視庁捜査一課・警部補](原田大二郎氏)
山田八兵衛[警視庁捜査三課・刑事](藤木悠氏)
草野泰明(汪雲龍)[警視庁捜査四課・刑事](倉田保昭氏)
響圭子[警視庁外事課・刑事](藤田美保子さん)
津坂真一[警視庁捜査一課・刑事](岡本富士太氏)
****************************
「ハードボイルド・Gメン’75。熱い心を強い意志で包んだ人間達。」今は亡き芥川隆行氏の渋いナレーションと共に「警視庁庁舎から独立した捜査班」、即ち「Gメン」の初代メンバー7名が滑走路を横並びで歩く姿が。どのメンバーも個性的だ。「キイハンター」の時代から好きだった丹波氏や「アイフル大作戦」の時代から好きだった藤木氏、「鳩子の海」の頃から気になる女優だった藤田さんと、「良くぞ此処迄、素晴らしい俳優を揃えたものだ。」と感心してしまう。そして何と言っても“和製ドラゴン”こと倉田氏の存在は、「Gメン’75」を語る上で絶対に外す事は出来ない。自分にとって最も印象的なアクション・スターはブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏等では無く、倉田氏だと言っても過言では無い。
黒電話、人々の服装、(成田国際空港が無かった時代の)羽田空港、旧型の車や機体等々、33年前の“歴史”が映像に封じ込まれている。*3カー・チェイス、モノレールを猛追する車、滑走するバスに歩道橋から飛び乗る倉田氏とドキドキするシーンが幾つも。ストーリーが全く色褪せていないし、悪役で登場する川地民夫氏や田中浩氏、室田日出男氏、寺田農氏の演技も光っている。エンディング曲「面影」(こちらにて聞く事が出来る。)を始めとして、情感溢れる曲々が使用されるタイミングは絶妙。見終えた後に漂う哀愁は、33年前に感じたのと全く同じだ。
誤って“同僚”の響刑事に拳銃を向けてしまった津坂刑事を、黒木警視が羽交い締めにして言い放った台詞の一部を今回のタイトルにした。防弾チョッキを着用させているとはいえ、容疑者の土手っ腹に銃弾を撃ち込んで自供させる等、「人権問題で良く槍玉に挙げられなかったものだ。」と思ってしまう黒木警視。丹波氏が演じると実に様になる。もっと長生きして、素晴らしい演技を見せて欲しかった・・・。
「おい!女に向かってハジキを振り回すとは何事だ、御前!ハジキってのは滅多に抜くもんじゃねえんだぜ。抜いたら誰かが怪我するじゃねえか!」
名作は時を経ても名作なり。
*1 「Gメン’75」に脇役として多く出演されていた山浦栄氏(写真)。第一話にも登場していた彼だが、現在も御元気で活躍されている(近影)。
*2 「『歌謡Gメン あのヒット曲の舞台はここだ!』 Part1」及び「黒木警視逝く」がそれ。又、「どっきりカメラじゃあるまいし・・・」の文尾では、藤木悠氏への思いをチラッと記している。
*3 第104話で多用されていた「ズベ公」という言葉も、最早死語と言っても良いのではないだろうか。
倉田保昭さんのアクション、痺れました。
エンディングテーマ、切ないですね。
夏木陽介さん、イマイチ存在が薄かった。
原田大二郎さんと岡本富士太さんのキャラの違いが子供心に微妙に映りました。。。
ランボーが60過ぎて復活するんだからこの二人で映画作ってもいいんじゃねえの?って気もするんですがね。
この番組にて知った「Gメン」なる言葉、今ではすっかり一般用語になった感が在りますね。「麻薬Gメン」、「万引きGメン」といった警察絡みから、「建築Gメン」や「食品表示Gメン」、「品種保護Gメン」等、様々な業種にこの言葉が使われています。公的な物だけで言っても、その所属(管轄)は幾つか在りそうですね。
倉田氏のアクション、本当に格好良かったです。自分は「燃えよドラゴン!」が大ブームになった際にはこの作品を見ていなかったものですから、本格的なアクションを見たのは倉田氏が最初(実際には「キイ・ハンター」で“サニー千葉”のアクションを見てはいましたが。)と言っても良く、それ故に「アクション=倉田氏」という印象が強いんです。今でも現役で活躍されているというのが嬉しい限り。
この番組で使われている曲には、何とも言えない哀愁を帯びた物が多かった様に思います。又、ストーリーが冗長では無く、スッキリと纏まっていましたね。各刑事の殉職シーンも普通の刑事ドラマなら延々と描かれる物ですが、Gメンの場合は「犯人を撃つ。→犯人が倒れる。→立ったままの刑事が倒れ、背後の壁には血の跡。→『○○刑事殉職』という表示。」という様にアッサリと描かれるケースが殆どで、このアッサリとした描かれ方が却って哀愁を感じさせたし、強烈な印象を残させたのではないでしょうか。
番組開始当初、夏木氏演じる小田切警視の登場回数は3話に1話位の割合だったとか。このDVDには特典として「出演者座談会」(恐らく4~5年前に収録された物だと思いますが、香港で撮影中の倉田氏を除く初代メンバー6人が勢揃いされていました。既に闘病中だった藤木悠氏の御顔がゲッソリ痩せられているのが印象的です。この座談会を見ても判るのですが、出演者達が実に和気藹々なんですよね。)が収録されているのですが、夏木氏が“秘話”として「当時は撮影現場の東映スタジオ迄非常に遠く(道路が整備されていなかった。)、毎回の出演は勘弁して欲しいと申し入れていた。」と話しておられました(笑)。又、「動」のイメージが強いメンバーの中で、警視庁の警視というポジションの彼はどうしても「静」のイメージが強い為に一般的な印象は薄くなってしまったのかもしれませんね。個人的にはGメンに欠かせない人物でしたが。
岡本氏はこの番組で奥様となられる女優(鶴間エリさん。「おはよう!こどもショー」にもエリちゃん役で出ておられた方です。)と知り合われたそうですが、このDVDに収録されている第103話にも彼女は登場されています。
原田氏はエリート警部補にも拘わらず、型破りな熱い男を演じていましたね。Gメンと言えば彼の印象も強烈に強いのですが、実は第33話迄(尚且つ、その内彼が登場したのは僅か24話。)しか出演されていないんですよね。つまり7ヶ月位しか出演していない訳です。「役作りの上でスタッフと衝突した。」とか「スケジュールが押さえられなかった。(当初は短い期間で番組を終了させる予定も、予想外に人気が出てしまった為に延長する事になったという話も。)」等、その急な降板には様々な噂が挙がった様ですが、兎にも角にも実に個性的な役柄だったのは間違いないでしょうね。
人の名前を覚えるのが苦手なので、「ヤン・スエ氏って誰だ?」と思ったのですが、検索してみました所「嗚呼、あの人か!」と。「香港シリーズ」で悪の組織の用心棒役と言えばこの人物でしたね。こちら(http://www7a.biglobe.ne.jp/~gmen-fubuki/fubuki-267.html)にも写真が載っており懐かしい限りなのですが、香港警察の警部を演じているのが大好きな脇役の一人・高品格氏というのも痺れます。
倉田氏も現役で頑張っておられるのですから、仰る様に倉田氏v.s.ヤン・スエ氏の対決というのを見てみたいですね。