ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“勝負師”に徹する

2024年08月24日 | スポーツ関連

阿部慎之助監督ジャイアンツ)の采配に付いて、批判が少なく無い。後述する様に勝負師徹し切れていない。」という不満は在るものの、個人的には「良く頑張っている。」と好意的な評価をしている。「原辰徳前監督が壊滅状態にし、そして放り出したチームを、監督として引き継が“され”た。(其の原前監督が「慎之助に、良い状態でチームを引き継げたのは良かった。」と得意満面に言い放っていたのには、思わず絶句してしまったが。)」事等から、今季の優勝予想では「良くて3位。」としていたのだから、現在「2位」というのは評価に値するだろう。

「8月22日の対カープ戦、8回裏を終えて『1対0』とジャイアンツが勝っている状態で迎えた9回表。「当然、抑え大勢投手登板させる。』と思いきや先発戸郷翔征投手を続投させ、1失点で点に追い付かれる。」という展開に。結局、10回表にもカープに1点取られ、「1対2」でカープの勝利に終わった。「残り試合等を考え合わせると、ジャイアンツが優勝するには、是が非でも首位カープに“勝利”しなければならない試合。」だったので、「9回表の“”から、大勢投手を登板させなかった。」事に大きな疑問を持った。

「ジャイアンツの先発・戸郷投手は、8回裏カープ打線を無失点に抑えていたし、『3試合連続完封』という記録が掛かっていたので、『何としても達成させて上げたい。』という阿部監督の“親心”が在ったで在ろう事は理解出来なくも無い。」が、今季好投をしていても、突然ガタガタッと崩れるケースが在る戸郷投手。」というのを考えると、“1点しか勝っていない状況”では、大勢投手の登板が“定石”だったのではないか?

こう書くと、「結果論で物を言うな!大勢投手が登板しても、失点する事だって在るだろ?」という声が在るだろう。確かに、結果論で物を言っている。でも、戸郷投手の“今季の傾向”や「是が非でも勝利しなければいけない試合。」という事を勘案し、又、「今季の抑えは大勢投手。」と阿部監督が決めた以上、“1投手の記録”よりも“チームの勝利”を最優先させ、大勢投手を登板させるというのが定石だった「感情に溺れて判断を誤り、結果として失敗する。」よりも、「感情を排除し、チーム勝利のに“最善な手”を打ち、結果として失敗する。」方が、後悔は無いだろう。「感情を排除し、後悔の残らない最善の手を打つ。」というのが、「勝負師に徹する。」という事だと自分は考える。

今季、自分の記憶に残っているだけでも、何度かこういうケースが在った。ハッキリ覚えているのは、堀田賢慎
投手と高梨雄平投手が投げた試合で、前者は『彼の将来に期待して。』という感情、又、後者の場合は“怒りの感情”から、其れ其れ「ド素人が見ても『交代させるべき。』と思う状態なのに、延々と投げさせ続け、“勝てる試合”を落とした。」という内容。此れだけ“混戦状態”に在るセ・リーグなのだから、「こういう勝てる試合を、感情による判断の誤りで落とす。」というのは、後々、優勝を争う上での“致命傷”になるのは間違い無い。

「勝てる試合を、感情による判断の誤りで落とす。」と概して、連敗地獄陥る物。案の定と言うべきか、ジャイアンツは昨夜の試合、対ドラゴンズ戦大敗喫してしまった。

原辰徳前監督の場合、勝負師に徹する事が出来るタイプだったと思う。でも、完全にという訳では無く、“東海大学系列”を含む御気に入り選手には感情を入れ込んで、失敗するケースも在ったりした。一方、「完全に勝負師に徹していた。」となると、パッと思い浮かぶのは川上哲治元監督と落合博満元監督

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① 川上哲治元監督(通算監督就任年数:14年、監督として采配を揮った総試合数:1,866試合、Aクラス13回&Bクラス1回、日本一達成回数:11回。)
 通算勝敗数:1,066勝739敗61引き分け
 勝率:.591

② 原辰徳前監督(通算監督就任数:17年、監督として采配を揮った総試合数:2,407試合、Aクラス14回&Bクラス3回、日本一達成回数:3回。)
 通算勝敗数:1,291勝1,025敗91引き分け
 勝率:.557

③ 落合博満元監督(通算監督就任数:8年、監督として采配を揮った総試合数:1,150試合、Aクラス8回、日本一達成回数:1回。)
 通算勝敗数:629勝491敗30引き分け
 勝率:.562
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原元監督が“名将”で在るかどうかは別にして、“凄い実績を残した監督”で在る事は認めている。でも、勝率で言えば、川上元監督は未だしも落合元監督よりも下回っているのだ。

石橋を叩いて渡る」というが在るけれど、「石橋を叩いても、未だ渡らない。」と称された程に用心深く、尚且つドライ”に采配を揮った川上元監督。「ONという超スーパー・スター擁した上、自由競争で各チームから戦力搔き集められたのだから、川上ジャイアンツが強かったのは当たり前。」という声も在るが、川上元監督以降のジャイアンツの監督達が挙って他チームからの戦力搔き集めに注力したのに、必ずしも優勝には結び付かなかった過去が在る。どんなに戦力を搔き集めた所で、V9を達成するのは至難の業で在り、川上元監督の用心深さとドライな采配在っての事だと思う。

そして、落合元監督。原前監督が“全権監督”として戦力の搔き集めをしていたのに対し、彼の場合はそういう感じが無かった。では、「何故、勝率で原前監督を上回ったのか?」となると、「川上元監督と同様、揮う采配に用心深さ&ドライさが在った。」、即ち「勝負師に徹していたから。」ではないか?

そういう場面を何度も見て来たが、特に印象に残っているのは2007年日本シリーズに於ける完全試合目前の継投だ。「完全試合目前だった山井大介投手を岩瀬仁紀投手へ継投した落合元監督の采配。」には批判が集まったけれど、「『1点しか勝っていない。』という状況で、“1投手の記録”よりも“チームの勝利”を最優先させたという用心深さ&ドライさ。」は、正直凄い!上記した“一昨日の試合”と似た部分が在るけれど、記録面の価値で言えば雲泥の差なので、継投に踏み切った落合元監督も大批判覚悟の采配だったに違い無い。

「人として優しい。」という事なのかも知れないが、阿部監督には“勝負師に徹する姿勢”を見せて貰いたい。


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