もう大分昔になるけれど、「決してマイナーでは無いが、然りとて超メジャーでも無い。そんな存在で在っても、自分にとっては忘れられない名曲。」を、当ブログで何度か紹介した。本題に入る前、久し振りに1曲紹介する。
幼少時、大好きで見ていたドラマ「バーディー大作戦」のエンディング曲「愛と死のパスポート」【歌】で、歌っているのはしまざき由理さん。彼女の歌には名曲が多いが、此の歌も何度口遊んだ事か。御存知無い方は、是非聞いて欲しい。
昨日、犬を車に乗せ、某ショッピング・モールに行った。此のショッピング・モールは犬連れの人が多く、犬大好き人間の自分にとっては楽しい場所なのだが、ちょこちょこ此処を訪れるのは、別の理由が在ったりもする。もうウン十年前になるけれど、其処からそんな遠く無い場所に、母方の祖父母が住んでいて、子供の頃は良く遊びに行ったもの。従兄弟とキャッチボールをして遊んだり、盆踊りを見に行ったりと、実に懐かしい場所。ショッピング・モールに車を停め、犬の散歩を兼ねて歩き回るのが目的でも在るのだ。
16時前に車を停め、結局3時間以上歩き回ったのだが、ショッピング・モールに戻る途中、歩道を歩いていたら、目の前にポトポトっと“液体”が降って来たではないか。「雨?」と思って頭上を見上げた所、電線に大量の鳥が止まっていた。目を凝らすと椋鳥の集団で、彼等が糞を“投下”していたのだ。
「やばい!」と慌てて駆け抜け、10歩程歩いた時、斜め前の道路の脇に、ボトッ!という音と共に、拳大の何かが落ちて来た。「今度は何だ??」と思って近寄ると、腹を横にした椋鳥の成鳥。嘴を弱々しく震わせるものの、身体は全く動かさない。
回りを見回すも、何かに襲われてとか、窓硝子等にぶつかってとかして落ちて来た訳では無さそう。「薬等、良く無い物を口にしたのか?」と思ったりもしたが、「兎に角、何とかしなければ。」と持ち歩いていた水を嘴に掛けた。すると、嘴を震わす回数が徐々に増え、どうやら水を少しづつ飲んでいる感じ。3分程見守っていたら、弱々しく起き上がり、ひょこひょこっと道路の中央に向かって歩き出した。
以前に書いたかもしれないが、自分には椋鳥に纏わるトラウマが在る。もう10年以上前の話だけれど、最寄り駅の前に在った書店の軒先に椋鳥が巣を作っていた。通る度、雛鳥の愛らしい顔が見えたり、鳴き声が聞こえたりして、心和まされていた。
そんな或る日、軒先の下を通ろうとした所、1匹の雛鳥が巣から顔を出していた。「大分大きくなったなあ。」と見ていたら、巣から飛び出して来た。巣立ちだったのだろうが、何しろ初めて飛んだという事も在り、落下する様な飛び出し方。超低空飛行で直ぐ傍の道路に向かって行き、「危ない!」と思った瞬間、走って来た車の下に・・・。
傍に居た女性が、「あっ!」と叫んでいた。数秒前迄は呼吸をし、“広い世界”に向かって飛び立った雛鳥が、タイヤに踏み潰されて動かなくなっている姿を見た時、堪らなく哀しくなってしまった。彼の光景は、未だに忘れられない。
そんなトラウマが在るので、「同じ光景は、もう見たくない!」という思いから、車が来てないのを確認した上、雛鳥の傍に駆け寄った。「近付いたら、歩道の方に逃げて行くだろう。」と思ったのだけれど、道路の中央に立ち止った儘、全く動こうとしない。そうしている内に、数台の車が近付いて来た。雛鳥に気付いて車のスピードを落としてくれたので、手で雛鳥を掴み、歩道に戻る事が出来た。
「どうしようか・・・。」と困っていたら、「どうしたの?」と高齢の女性から声を掛けられた。事情を説明した所、「直ぐ傍に住んでいるので、椋鳥が元気になる迄面倒見るから。」と言ってくれたので、御願いする事に。
「鳴き声が五月蠅い。」、「糞の被害で困っている。」、「果物を食い荒らす。」等、害鳥扱いされる事の多い椋鳥。とは言え、目の前で弱った姿を見てしまうと、車のスピードを落として“救助”されるのを待ってくれたり、「面倒を見る。」と言ってくれたりする人が居た事が、とても嬉しかった。