ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「鏡の背面」

2019年05月29日 | 書籍関連

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薬物依存症患者やDV被害者の女性達が暮らすシェルターで発生した火災。「先生」小野尚子(おの なおこ)が入居者を救い、死亡。盛大な「御別れの会」が催された後、警察から衝撃の事実が告げられる。

「小野尚子」として死んだ遺体は、別人の物だった。ライターの山崎知佳(やまざき ちか)は、過去を調べる内に、嘗て「女」を追っていた記者に辿り着く。一方、指導者を失ったシェルター内では、じわじわと不協和音が・・・。
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篠田節子さんの小説鏡の背面」を読了。彼女の作品を読むのは初めて。「“慈愛に満ちた篤志家”として知られる女性・小野尚子が、火災事故に巻き込まれて死亡するのだけれど、火災現場から見付かった遺体を調べた所、小野尚子とは別人の物と判明する。『自分達が小野尚子と信じていた女性は、一体誰なのか?』、彼女の正体を調べる中で意外な事実が明らかとなる。」というストーリー。

成り済ましとして入れ替わっていた女性”と“成り済まされた女性”との間に、余りの違いが在る。何故、こんなにも違う女性が長期間、別人格を演じて来られたのか?作者の篠田さんは、此の作品のテーマ自我脆さと不思議さとしているが、完璧に他人に成り済まそうとする余り其の他人の人格に引き摺り込まれてしまう。という事が在るならば、自我の脆さと不思議さ以外の何物でも無いだろう。

530を超える大長編だらだらとしてストーリー展開に加え、登場人物達のキャラクターに魅力が感じられなかった事も在って、読み進めるのがしんどかった。

総合評価は、星3つとする。


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