*********************************
「生徒の『オッス!』に校長が怒り暴言 ネットでは賛否両論」(4月15日、J-CASTニュース)
奈良県御所市立中学校の男性校長(55歳)が、「オッス!」と呼び掛けた男子生徒に「しばいたろか。」と発言し、謝罪に追い込まれた事が判った。ネット上では、校長を擁護する声も多く、賛否両論になっている。此の校長は、2015年4月に赴任した許りの新任だった。
報道した読売新聞の4月15日付け記事によると、校長が6日に中学校に登校した時に、校舎の2階から前出の呼び掛け声が在った。此れに対し、校長は此の日の着任式で挨拶に立ち、生徒の事を持ち出して、こう切り出した。
「からかう様な事を言われたのは残念で、怒りを覚える。」。そして、生徒に対し、「しばいたろか。」と暴言を吐いたと言うのだ。
御所市教委には、翌7日に匿名の垂れ込みが在り、市教委では此の日、校長に事実確認した上で、口頭で厳重注意処分にした。更に、臨時校長会も開き、市立小中学校長に言動には注意する様に促した。
校長は、此の日の内に全校集会を開き、生徒を前に発言に付いて謝罪した。8日には、生徒の保護者に対して御詫びの文書も配布したと言う。
此の報道に付いて、ネット上では、様々な声が出た。校長を擁護する向きとしては、「別に良くねえか?」、「其の程度で厳重注意処分は、如何な物か。」、「『しばいたろか。』は愛情表現で、配慮も未だ未だ在るだろ。」といった物だ。「寧ろ、生徒が悪い。」といった声も多く、「校長に『オッス!』はねぇだろ。」、「呼び出して厳重注意は、生徒の方。」、「こんな事で注意するから、教員が萎縮して、生徒が調子に乗るんだよ。」と手厳しい指摘が出ていた。
最も、生徒を罵倒した校長も大人気無いといった声も多い。「此れ位で切れる奴が、中学の校長すんなよ。」、「親しみを込めて『おっ~す!』って返す位の度量も無いんか。」、「上手く切り返せたら、生徒との距離感縮まったのに。」。
校長に呼び掛けた男子生徒に付いては、「一応、歓迎の『オッス!』だったんじゃないの?」と理解を示す意見も出た。
一方で、こうした声を纏めて、「何方も何方。」と冷ややかに見る向きも在った。
更に詳しい状況に付いて、御所市教委に取材しようとすると、学校教育課では、「取材に付いては、以前に一部マスコミに不本意な書かれ方をしたので、直接対面して話す事にしており、電話では対応していません。」と説明した。市教委に対応が一本化されている為、中学校でも取材に応じていないとの事だった。
*********************************
文面からだけだと、伝わらない事は結構在る。件の男子生徒や校長が、どういうニュアンスで「オッス!」とか「しばいたろか。」と言ったのかによっても、話は随分違って来るだろう。
両者共、決して褒められた発言では無いし、「何方も何方。」という大人気の無さを感じはする。でも、目が合っても挨拶すらしない連中が最近は少なく無いというのに、態々「オッス!」と口にしたという事は、男子生徒の中に少なくとも“拒否の気持ち”は無かった様に思う。又、校長の「しばいたろか。」というのも、冗談めかした部分が在ったのではないだろうか。
夏目漱石氏の名作「坊ちゃん」では、数学の教師として四国に赴任した“坊ちゃん”が、生徒達からおちょくられる場面が幾つか登場する。揶揄する様な言葉を投げ掛けられたり、寝床に飛蝗を入れられたり。生徒達形の歓迎表現だったりする訳だが、今回の場合は“大人として”、校長の側がもっと“ユーモラスな切り返し”をした方が良かったのかもしれないが、まあそんなに目くじらを立てる様な話では無いと思う。
基本、竹刀持ち歩く「オイコラ教員」だったのでしょうか。
そもそも中学生なんかと日常に付き合いたくない私は塾教師とかも含めて、「ようやるなあ」と思ってしまう。言っちゃなんだが男性の場合は「歳の割にずいぶんウブというか幼稚」な人が多い印象があるが、そうでないとやってけないかなあと思う。女性の場合は「お母さん」タイプか、単に仕事として割り切りタイプが多いかなあという印象。高校より上の教員だと男もドライな人増えますが、義務教育期の教員だと保護者受け悪いんですよねそういう人。
今回の校長、“オイコラ教員”と言うよりも、“べき教員”だったのではないかなあという気がしています。「校長たる者、XX在るべき。」、「生徒は、XX在るべき。」という思いが余りにも強過ぎて、其処から少しでも乖離してしまう事が、どうしても許せないという感じではなかったのかと。
良く言えば“真面目”、悪く言えば“杓子定規”。そんな人が社会には少なからず見受けられますが、知り合いで教師をしている者の話では、教師の世界はそういう人が少なく無いと。だから、“理想”と“現実”の違いにより、色々抱え込んでしまい、結果として病んでしまうケースが少なく無いという話を聞きました。
「教師って、真面目に遣ろうとすると、こんなに大変な職業は無い。でも、好い加減に済ませ様とすれば、こんなに楽な職業は無い。」と、其の知り合いが以前言っていましたが、今回の校長は前者ではなかったのかなあ・・・と思ったりします。
“オン”と“オフ”のスイッチの切り替えを、適当な所で行う。此れは一般社会でも大事な事ですが、教師の世界も同様。でも、周りがそういう切り替えを許してくれないという現実も在りそう。