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「<片足蛙>大量発生『ヤゴの捕食が原因』 北九州市が確定」(11月19日、毎日新聞)
北九州市八幡東区の板櫃川で昨年、片脚が無いツチガエルが大量に見付かった問題で、北九州市は18日、発生原因を「化学物質や遺伝等で無く、オタマジャクシの段階でヤゴに食べられた。」とする調査結果を発表した。調査した専門家は「自然の偶然が幾つも重なって起きたと考えられ、生物学的に非常に興味深い事例だ。」と指摘した。
片脚が無いツチガエルは昨年5月から市民の連絡を受けた市の調査で数十匹相次いで見付かった。現場の水質を分析しても異常は無く、市は専門家で作る「調査検討委員会」(委員長、小野勇一・九州大名誉教授)を設置。調査委はヤゴによる捕食の可能性が高いと見て調べていた。
調査報告書によると、ヤゴとツチガエルのオタマジャクシを同じ場所で飼育実験。オタマジャクシに生えて来た後脚等をヤゴが捕食した事を確認した。又、化学物質や紫外線等による奇形との類似性が低い事も確認した。
更に「発見現場はツチガエル等が好んで生息する湿地だった。」、「ツチガエルはオタマジャクシで越冬する場合が在り、ヤゴに捕食される危険性が高い。」、「昨年はヤゴが大量発生していた。」等の要因から、オタマジャクシ段階でヤゴに後脚を食べられた事が発生原因と結論付けた。
又、今春に市内の河川や貯水池を調べた所、板櫃川と周辺だけでツチガエルが見付かった。だが、後脚の無いカエルは確認されず、ヤゴも激減していた。
調査委委員で市立自然史・歴史博物館の武石全慈学芸員は「現場の湿地は昨年7月の大増水で大半が消失していた。捕食が起きた要因は色々な条件が重なった為だが、自然豊かな湿地の存在が大きいのではないか。」と分析。小野委員長は「自然の中では沢山の偶然が起きる。都市部で蛙の数が少なくなる中、北九州にツチガエルが居る自然が在る事は大きな財産だ。」と指摘した。
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自然界で異形の生物が大量発生すると、どうしても化学物質との関係を思い浮かべてしまう。「板櫃川で片足の無いツチガエルが大量に見付かった。」というニュースを見聞した際には「化学物質の影響だろうなあ。」と想像したのだけれど、ヤゴの捕食が原因だったとは。多くの「偶然」が重なり合った結果という結論だが、自然界にはそういう事が結構在ったりするのだろう。
此処数年「蜜蜂が減っている。」とか「雀が減っている。」というニュースが在ったりしたけれど、自分の様に「自然が少ない都会」に住んでいると、自然の変化にどうしても疎くなってしまう。自然が多く残った環境だからこそ、一寸した変化にも目が行き届くので在り、其れは其れで羨ましく感じる。