ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

チコタン殺したのん誰や!?

2007年04月16日 | 其の他
日曜日の午後、手元にラジオが在れば必ず聴いていると言って良い「伊集院光 日曜日の秘密基地」(TBSラジオ)。この番組で取り扱われる”ネタ”には面白い物が多く、当ブログでも過去に何度か記事にさせて貰っている。昨日も皐月賞の万馬券をゲット出来なかった苛立ちを緩和すべくこの番組を聴いていたのだが、「"おバ歌謡"CD第二弾発売企画! 決定!あなたが選ぶBEST OF おバ歌謡SP」という企画が壺に嵌まった。これぞ「おバ歌謡」、即ち一度耳にしたら二度と忘れられない程のオバカな歌のベスト10をリスナー投票で決定しようというもので、今回で第二弾を迎える企画とか。候補に挙がった20曲はどれもインパクトの在る(坊屋三郎大先生の歌う曲「おしっこしたくなっちゃった」は、左とん平師匠の名曲「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」に決して引けを取らない”脱力系カタルシス感”に溢れている。)”迷”曲揃い。ベスト3に選ばれた曲に限って紹介すると、その顔触れは以下の通り。

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1位: 「父ちゃん音頭」(小沢昭一氏)
”怪”優・小沢昭一氏があの玉川良一師匠ばりの濁声で、勢いが悪いんだよ♪落ち目かな落ち目だね♪ああ前立腺肥大症と中高年男性の悲哀を切々と、且つオマヌケに歌い上げている。

2位: 「がんばれジャイアンツ!!」(アラジン・スペシャル)
こちらに詳細が記されているが、「看板に偽り在り。」とは正にこの事で、歌詞は男女の”チョメチョメ”を扱ったヤバイ系の物で、当時は放送禁止になったという噂も。

3位: 「Yesterday Once More」(内山田洋とクール・ファイブ
余りにも有名なカーペンターズの大ヒット曲を、「あの頃暮らしたあの部屋で♪歌ったものさ、二人の好きな愛の歌♪」といったナイスな邦訳にして、且つヴォーカル前川清氏では無く、南州太郎師匠の様な風貌の小林正樹氏が甘い声で歌い上げているのがミソ。
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ベスト3に入ったこれ等の曲も強烈だが、自分を最も捉えて話さなかったのは4位に入った「こどものための合唱組曲 チコタン - ぼくのおよめさん」。この曲は今から四半世紀以上前、学校の合唱コンクールで歌った曲なのだ。うろ覚えになるが、確か学校が指定した曲では無く、生徒達が出した候補の中から生徒達自身で選んだ曲だった様に思う。こちらに歌詞が載っており、又こちらでは合唱団の歌声を試聴出来るのだが*1、「幼い男の子が大好きな女の子の『チコタン』に、その熱い思いを無邪気に伝え、些細家庭の事情等に悩み乍らもプロポーズする。」という愛らしい内容がずっと続く。「何でかな?何でかな?何でチコタン好きなんかな?」と関西弁での詩が、そのコミカルな曲調とも相俟って、歌っていてついつい頬が緩んでしまうのだが、それは全部で5番迄在る詩の4番迄。それ迄華やかで陽気だった舞台が暗転するが如く、5番は詩&曲共に一気に暗い世界へと変貌してしまうのだ。

チコタン死んだ ダンプに轢かれてチコタン死んだ 横断歩道で黄色い旗握って チコタン死んだ (中略) チコタン殺したのん誰や!? 僕のチコタン殺したのん誰や!? 僕の御嫁さん殺したのん誰や!?

大好きだったチコタンが、或る日突然、交通事故によって死んでしまった哀しみを叫ぶ様に歌い上げる事に、当時の自分は物凄い衝撃を受けたものだった。それは恐らく、他の同級生も同じ思いだったと思う。勿論、深いメッセージが込められた曲なのだが、この曲が「トラウマ・ソング」と称されているのも判らなくは無い。それ程、心に”重い何か”を残す曲だった。

この曲を作詞&作曲したコンビは、「日曜日~ひとりぼっちの祈り~」という曲も手掛けられているとの事で、今回の候補曲20曲の中にも入っていた。子供の視点から交通事故を描いた作品で、交通事故後に苦しむ子供の姿が其処には在る。”重い何か”が残るのは同じだ。

当時は関東圏に住んでいた自分が合唱コンクールで歌った”チコタン”。今でも同様に歌い継がれているのだろうか?

*1 You Tubeでも”チコタン”が紹介されていた。

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7 コメント

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Unknown (kihara)
2007-04-16 02:11:42
「チコタン死んだ...」とはまた懐かしい。小学校の何学年の時だったか忘れましたが、合唱会で別の組がこれを合唱していましたね。

「心に”重い何か”を残す曲」というのはその通りでした。

こんな素晴らしい曲を歌っていたその別の組の子供たちが皆大きく見え、軽い嫉妬を覚えたものです。


>子供の視点から交通事故を描いた作品で、交通事故後に苦しむ子供の姿が其処には在る。

1970年は交通事故死者数最多を記録している年です。それ以降、減少傾向にありますが、事故後一週間内の死者数は減ったとはいえ、その後死ぬ者、交通事故後遺症に苦しみ続ける者は後を絶ちません。

華やかな経済発展・クルマ社会の発達の陰で、事故や公害に苦しみ続けてきた子供たちとその親のことを私は忘れないようにしたいと思っています。
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Unknown (tak_123)
2007-04-16 13:53:44
チコタンタン。。。どないしょー

変に関西弁なのがまた怖いですね。
しかもかなりリズム取りにくいでしょう、この符割りじゃ。。。
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お久し振りです。 (さのかづみ)
2007-04-17 21:43:37
チコたんの歌は、小学生の時PTAの母親達が合唱しているのを聴いた事が在ります。

坊屋三郎さんの曲は、関根勤氏と小堺一樹氏のラジオ番組でしばしばかかってました。いい味出してます!!
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元・合唱部員なので ((まめ)たぬき)
2007-04-18 14:52:49
この曲は練習した覚えがありますね。
兵庫県は交通事故死者が多い(大阪もそうですが、無謀運転が多い風土性)ので、ま、ありえる話だなという印象でした。

関西弁をしゃべらない兵庫県の地域出身なので、正直歌いにくい曲ではありましたが。

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我がブログへのコメントに、レスしに来ました。 (さのかづみふたたび)
2007-04-18 21:43:46
こんばんは。

チコタンの歌は、聴く機会がその時だけだったので、すっかり記憶の片隅に追いやられてました。



話は逸れますが、今季は王監督のもとで優勝するラストチャンスだと思います。ちょっと“打てない守れない”の状況が続いてますが…。



追記

ジャイアンツは野手補強ばかりが目立っていますが、何気無く投手陣も整備されてきましたね。うらやましい限りです…。
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こんにちは ()
2008-01-18 08:56:26
通りすがりなのですが、コメントさせてください。
わたしは小6です。こんどこの曲を音楽会で歌うことになりました。低学年の人が笑ってしまうというのが問題点なのですが、わたしはすごくいい曲だと思っています。
自分の考察だけとなってしまってすみません。だけど、確かに「心に”重い何か”を残す曲」であると思います。1年生の時初めて聴いて、すごく衝撃的だったのを覚えています。
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>渚様 (giants-55)
2008-01-18 13:04:52
初めまして。書き込み有難う御座いました。

渚様は小学校六年生という事で、自分が「こどものための合唱組曲 チコタン - ぼくのおよめさん」を合唱コンクールで歌ったのも確かその頃だったなあと懐かしく感じました。

子供心に「凄い歌だなあ。」と思ったもので、その「凄い」というのは「こんな悲惨なテーマを扱っているのに、前半部の軽やかな曲調とのギャップは何なんだろう?」という思いが占めていたのですが、軽やかな曲調から沈んだ曲調へというコントラストが在るからこそ、余計に「交通事故の悲惨さ」が伝わって来る様に今は感じます。

音楽会では頑張って下さいね。今後とも何卒宜しく御願い致します。
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