昨日の記事「親父を超えろ!」の冒頭で、“キンキン”事、愛川欽也氏の訃報に付いて触れたが、実は本題で在る「辰吉寿希也選手の試合」に関して書き終えた直後、ネット上で速報を目にし、追記した物だった。
慌てて記したものだから、キンキンに付いて「映画『トラック野郎シリーズ』【動画】での“やもめのジョナサン”役を始めとして、映画にラジオ番組、TV番組、舞台、エッセーと、様々な分野で軽妙洒脱さを発揮した人だった。」と紹介したのだが、実は自分にとって大事な部分が抜け落ちていた。其れは、子供向け番組での活躍だ。
昨日、多くのTV番組がキンキンの死を取り上げていたが、彼の業績として紹介されたのは、司会者や俳優としての物が殆ど。確かに“やもめのジョナサン”役等の俳優業、「なるほど!ザ・ワールド」【動画】や「出没!アド街ック天国」【動画】等の司会業の印象は強烈に在る。でも、自分達の世代で言えば、子供向け番組に於ける彼の存在は、もっと強烈。
知る人ぞ知る話では在るけれど、キンキンは子供向け番組に少なからず関わっている。「おはよう!こどもショー」【動画】では、ロバくん(兄)の着包みに入り、そして声も担当していた。
[ロバくん(兄)]
アニメの世界でも大活躍。彼が声を担当したキャラクターを、幾つか挙げてみるが、同世代の人達ならば「懐かしい!」と思われる事だろう。
何のキャラクターも絵を見ただけで、声がパッと思い浮かぶ。キンキン、本当に御疲れ様でした。
それから「パック・イン・ミュージック」。今にして思うと「アングラ」な番組。林ヨシオの日もそうだったが。「オールナイトニッポン」よりアングラで「大人」だったし、「政治的」だった記憶があります。
http://homepage2.nifty.com/kotetsu-k/midoributa/koyomi-anohi.html
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(こんなことやっていた)
ベトナム戦争絡みで政府の圧力があって同じ局の田英夫が下されたのは有名だが、ラジオは「番外地」だったんだなあ、と思いますね。天下の日産自動車提供だったようだが。今はNHKのラジオ深夜便が林ヨシオ路線かもしれないなあ。偉い人は深夜にラジオなんか聞かないですもんね。
今はどうか判りませんが、少なくとも昔のラジオ番組には、アングラでアナーキーな物が結構在りましたよね。自分が好んで聞いていた「吉田照美のてるてるワイド」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/8fc23b29e997c5663877efea5e183217)なんぞも、メイン・パーソナリティーの吉田氏が身元を隠して(と言っても、当時は一般的に顔が知られていなかったのですが。)TOTOのショールームを訪れ、「(見学用に設置されている)便器の水で、コーヒーを入れて貰えませんか?」とスタッフに依頼している遣り取りを隠し録りし、其れを放送する等、可成りハチャメチャな事をしていましたし。キンキンも放送中に「今から外を歩くので、皆出て来て!」と呼び掛け、大挙して訪れたリスナーで街中が大混雑して、大騒ぎなったなんて“事件”も在った様ですね。
キンキンの吹き替え、矢張りジャック・レモン氏やジーン・ケリー氏が印象に残っています。海外ドラマも多く担当していて、「奥さまは魔女」とか「スパイ大作戦」、「逃亡者」(何れもが再放送で見たのですが。)等の脇役の声で、「此れって、キンキンじゃない?」と思った事が何度か。
林美雄氏と言えば、「一慶・美雄の夜はともだち」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9C%E3%81%AF%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%A0%E3%81%A1#.E4.B8.80.E6.85.B6.E3.83.BB.E7.BE.8E.E9.9B.84.E3.81.AE.E5.A4.9C.E3.81.AF.E3.81.A8.E3.82.82.E3.81.A0.E3.81.A1)を結構聞いていました。彼が鬼籍に入られて、もう13年になろうとしているんですね・・・。
>一慶・美雄
前者は逮捕だか告訴だかだし、後者も晩年は不遇でしたね。パックインの全盛期の放送内容を考えるとまあうなずけてしまうけど。そう考えると愛川さんは仕事の幅が広いことで生き延びた。パックイン(特に林・愛川の日)聞いて、「話の特集」や中村とうようの「ミュージックマガジン」やミニコミ(創刊当時のぴあやロッキングオンもそうだった)を定期購読する、のが、最先端を気取る「サブカル青年」の倣いでした。
ラジオ番組、学生時代は勉強し乍ら良く聞いていましたが、最近は車で移動中、又はTVで放送していない際に野球中継を聞く位になってしまいました。野球中継以外で聞くのは、大沢悠里氏や伊集院光氏という感じですから、“昭和の香り”が漂う番組が好きなのでしょうね。
昔は男性アナウンサーと言えば、TBSに光る素材が多かった。久米宏氏や林美雄氏、小島一慶氏、松宮一彦氏等々。正に多士済々という感じだったのですが、同時に「人気者となって以降、寂しい人生を歩んでいる。」というケースも多かった様に思います。早世された林氏、女性問題で躓いた小島氏、そして自死した松宮氏と。華やかな時代を知っているだけに、“光”と“陰”のコントラストの残酷さを、強く感じてしまう。
「おはよう!こどもショー」の収録に行かれただけで無く、ロバ君と握手もされたとは羨ましい限りです。
「おはよう!こどもショー」、「ママとあそぼう!ピンポンパン」、そして「ロンパールーム」が、当時、子供番組で人気の在った3トップ。「ロンパールーム」にはキンキンの奥様・うつみ宮土理(当時は「うつみみどり」)さんが“先生”として出演されていて、番組の最後で彼女が「鏡よ鏡よ鏡さん」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0#.E9.8F.A1.E3.82.88.E9.8F.A1.E3.82.88.E9.8F.A1.E3.81.95.E3.82.93)と呪文を唱えるコーナーが大人気でしたね。「○○君」とか「XXちゃん」と名前を呼んでくれるのですが、何時の日か、自分の名前が呼ばれないか、楽しみに待っていたもの。
因みに、我が従兄弟が幼少期、「ロンパールーム」に出演したのですが、此れ又、本当に羨ましかった。