世界遺産に登録されると、其の場所に大勢の人が押し寄せる。此れは日本に限らず、世界各地で見受けられる現象の様だが、特に日本人はそういうのに乗っかり易い気がする。世界遺産の“候補”に挙がっただけで、其れ迄は観光客が疎らだった場所に、人が大挙して押し寄せる様になったなんていうのは、日本位ではないだろうか。
観光客が増え、地域経済が潤うのは結構な事だが、捻くれ者の自分としては「世界遺産に登録される(乃至は世界遺産の候補に挙げられる)前に行けば良いのに。」と思ってしまったりもする。まあ、余計な御世話だけれど。
「世界遺産に登録して貰おう。」と、世界各国が自国の遺跡や景観等を売り込んでいる。日本も例外では無く、売り込んでいる遺跡や景観等の中には、「世界遺産に相応しいのかなあ?」と疑問に思ってしまう様な所も在る。
此方の情報によると、2014年時点での世界遺産登録数は「1,007件」なのだとか。ベスト10は、以下の通り。
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「世界遺産登録数ベスト10」(2014年時点)
1位: イタリア(50件)
2位: 中国(47件)
3位: スペイン(44件)
8位: イギリス(28件)
9位: ロシア(26件)
10位: アメリカ(22件)
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感覚的には「中国が1位かな。」と思っていたけれど、実際にはイタリアが1位。登録数がもっと多そうに思っていたエジプトは41位(7件)で、我が国は13位(18件)との事。
6年前の記事「人と全く同じ事をしていては」の中でも書いたけれど、自分が子供だった頃に“趣味の王様”だった切手収集が、今や全く人気が無くなってしまったのも、「記念切手を発行すればする程、大儲けが出来る。」という郵政省の“助平根性”が最大要因だったと思う。
記念切手の粗製濫造により、心在る収集家は切手に魅力を感じなくなり、結果として離れて行ってしまったから。世界遺産として登録される場所がこうも増えて行くと、軈ては記念切手と同様に、世界遺産の価値が減じられて行ってしまうのではないだろうか。