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2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見された。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査1課警部・笘篠誠一郎(とましの せいいちろう)の妻だった事が判る。笘篠の妻・奈津美(なつみ)は、7年前の東日本大震災で津波によって流され、行方不明の儘だった。遺体の様子から、妻と思われる女性は、其の前夜迄生きていたと言う。何故、妻は自分の下へ戻って来なかったのか?笘篠は様々な疑問を胸に、身元確認の為、現場へ急行するが、其処で目にしたのは、全くの別人の遺体だった。
妻の身元が騙られ、身元が誰かの手によって流出していた。遣り場の無い怒りを抱え乍ら、捜査を続ける笘篠。其の経緯を辿るも、中々進展が無い。其の様な中、宮城県警に新たな他殺体発見の一報が入る。果たして、此の2つの事件に関連性は在るのか?そして、笘篠の妻の身元は、何故騙られたのか?
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中山千里氏の小説「境界線」は、「『身元を偽っていた。』という共通点を持つ2人の変死体を巡り、意外な事実が明らかとなって行く。」というストーリー。
東日本大震災によって、人生を大きく狂わされた人は少なく無いだろう。震災前の価値観が、がらっと変わってしまった人も存在するとは思う。でも、今回の作品の真犯人に関して言えば、其の価値観の変わり様が余りに極端過ぎるので、動機を含めて「無理が在る設定だなあ。」と感じてしまう。
タイトルに「境界線」と付けた意味合いも、正直ぴんと来ないし、内容が全体的に“薄っぺらい”感じがしてならない。実力の在る書き手だけに、とても残念だ。
総合評価は、星2.5個とする。
「笘篠」という苗字だと、笘篠誠治氏&賢治氏という兄弟のプロ野球選手が居りましたね。兄の笘篠誠治氏は選手生活をライオンズ一筋で送られ、以降は5チームでコーチをされています。現在はゴールデンイーグルスの1軍外野守備走塁コーチを務めておられるとか。
又、弟の賢治氏はスワローズに入団し、アイドル系のルックスから“とまぴょん”と呼ばれ、女性人気が高かった事を覚えています。其の後、カープに移籍し、同球団で引退。カープでのコーチ経験も在りましたね。奥様は元アイドルの松本典子さんというのも有名な話。
で、自分が知る限り「笘篠誠一郎」という名前のプロ野球選手は記憶が在りません。念の為調べてみましたが、矢張り当該者は居られませんでした。
今後とも何卒宜しく御願い致します。