先日、今上天皇が「自身の葬法は土葬で無く、火葬にして欲しい。」との意向を示した。以前より「葬儀の簡素化」を要望していたそうで、其れが今回の意向表明へと繋がったのだろう。又、「近年、『皇室の政治利用』が増えている事に対する懸念から、『自身の葬儀は、政治利用されたくない。』という強い思いも、背景に在るのではないか?」という説も。
今上天皇の前には122人の天皇が存在している(内2人は、2度皇位に就いている。)が、歴代の葬法は、約6割の73人が土葬で、火葬は約3分の1の41人なのだそうだ。(残り8人は不明。)1617年に崩御した後陽成天皇は火葬だったが、次に帝位に就いた御水尾天皇から昭和天皇迄の17代は土葬となっている。土葬には、儒教思想が大きく影響しているとも。
週刊新潮(11月28日霜降月増大号)に、「全国土葬率『0.1%』で最多が『神奈川』の訳」という記事が載っていた。
「現行法に基づけば、決して土葬を、法律的には埋葬と呼んでおりますが、禁じている訳では在りません。土葬か火葬の何れかで、定められた墓地に納めて戴ければ、土地の風習等で、後は各自治体の御判断になります。」(所管する厚生労働省の見解)
住民感情等に配慮し、最初から「土葬」を禁じている自治体は多い。我が国の火葬率は99.9%で、詰り土葬率は0.1%というのが現実なのだとか。平成24年度の統計によると、埋火葬の総数は131万6,254件で、内131万5,684件が火葬で、土葬は570件。(此の統計から言えば、総数に占める土葬の割合は0.1%では無く、0.04%になるのだが・・・。)
土葬数に関して、多くの都道府県が零か一桁の中、最多の神奈川県は130件と突出。更に神奈川県内を詳しく見てみると、横浜市58件、川崎市68件と、大都市に集中している。此れ等の理由に付いて、横浜市の担当者は次の様に説明。
「統計の上では“死胎”という表記になってしまうのですが、所謂『死産』、『堕胎の水子供養』なんです。胎児の場合、火葬すると、本当に小さくなってしまうので、川崎と横浜に埋葬で供養する墓所が在り、其の数字が表れているのです。」。