ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「マスカレード・イブ」

2015年01月27日 | 書籍関連

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ホテル・コルテシア大阪」で働く山岸尚美(やまぎし なおみ)は、或る客達の“仮面”に気付く。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介(にった こうすけ)は、1人の男に目を付けた。事件の夜、男は大阪にたと主張するが、何故かホテル名を言わない。殺人の疑い掛けられてでも、守りたい秘密とは何なのか。御客様の“仮面”を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の“仮面”を暴くのが彼の職務。2人が出会う前の、其れ其れの物語。

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昨夏刊行された東野圭吾氏の小説マスカレード・イブ」は、4つの短編小説から構成されている。尚美や浩介等、知っているキャラクターが登場するものの、設定等に違和感覚え乍ら読み続けていたのだが、最後の作品「マスカレード・イブ」(書き下ろし作品)で「此の記述、前に読んだ事が在る様な・・・。」と思い、状況が全て判った。

 

東野氏は4年前に、「マスカレード・ホテル」という小説を刊行しているが、今回の作品は「マスカレード・ホテル」よりも前の時代という設定なのだ。「マスカレード・ホテル」で出会い、そして“事件”によって良い仲になって行った尚美と浩介。そんな2人が出会う前の話が「マスカレード・イブ」。

 

浩介が“初登場”する「ルーキー登場」は、もやもやとした思いが残る、後味の良く無い作品。秀で推理力を有し乍らも、“真犯人”を追い詰めるには到らなかったルーキーの浩介が、此の挫折に、刑事として大きく成長して行くで在ろう事。」を予感させるストーリーでも在る。

 

全体的に言えば、東野作品としたら、凡庸な感じだなあ。というのが読後感。其れ其れの結末は想定内だったし、充足感よりも物足り無さを感じてしまったので。

 

総合評価は、星3つとする。


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