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承認要求:「他者から認められたい。」と思う気持ち。
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先月28日、神奈川県川崎市多摩区登戸で発生した通り魔殺傷事件の「川崎殺傷事件」。死者2人、負傷者18人を出した実に痛ましい事件だが、犯人が自殺した事で、犯行動機が本人の口から語られる事は無くなった。
犯人が育って来た複雑な家庭環境が、彼を犯行に進ませた感は在るけれど、だからと言って、何の罪も無い人達を死傷させた事が許される訳は無い。こういう通り魔事件に触れる度、激しい怒りを覚えるが、今回の様に犯人が犯行後に自殺するという場合、強く思う事が在る。「そんなに死にたいなら、自分1人で死ねよ。」という思いだ。
今回の事件を受けて、自分と同じ思いをメディアで主張した人に対し、賛否両論在った様だ。考えは人其れ其れなので、どういう主張をし様が自由だけれど、「そんなに死にたいなら、自分1人で死ねよ。」という自分の考えは変わらない。
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「橋下徹氏『1人で死ぬべき。』に持論 他人を犠牲『在ってはならない。』、『子供の頃から教育を。』」(6月2日、スポニチアネックス)
元大阪市長の橋下徹氏(49歳)が2日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に生出演。私立カリタス小の児童等19人が殺傷された事件の容疑者を巡って議論になっている「死にたいなら、1人で死ぬべき。」との見解に付いて、持論を述べた。
同事件に付いて同局の梅津弥英子アナウンサーから意見を求められた橋下氏は、「自殺に悩んでいる人を、確り社会が支えていきますというのは当然の事。」と前置きし、「止むに止まれず自分の命を断つ時は、他人を犠牲にしてはならない。一寸言い過ぎかも判らないけど、死に方という所を教育する事が、僕は重要だと思う。」と述べた。
更に「他人を犠牲をするなんて、絶対在ってはならない。『死ぬのなら、自分1人で死ねって事。』は、確り教育すべきだと思います。」と主張。梅津アナは「『其れを言うべきでは無い。』という議論も在るが。」と指摘したが、「そんな事無い。」と反論した。
「他人を犠牲にして良いなんて事は在り得ない。片一方の方で、悩んでいる人に対して『社会は支えるよ。』というメッセージを出した上で、どうしてもって時には、絶対に他人を犠牲にするなと。そういう様な教育が、子供の頃から必要だと思います。」と語った。
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「生きたくても、生きられなかった。」、そういう人達を何人も知っているので、“自殺”という行為は肯定出来ない。でも、悩みに悩んだ上、「自らの命を絶つ。」という結論に到った人も居るだろうから、そういう人達を全面否定する気も無い。「どうしても自殺したい。」というので在れば、出来る限り他者に迷惑が掛からない形で行う。「1人じゃあ寂しいから。」等の身勝手な理由から、他者を巻き添えにするのは絶対に許されない。
なので、「悩んでいる人に対して『社会は支えるよ。』というメッセージを出した上で、どうしてもって時には、絶対に他人を犠牲にするなと。そういう様な教育が、子供の頃から必要だと思います。」という橋下氏の主張は、其の通りだと思う。
とは言え、そういう教育を行った所で、今回の様な事件が100%防げるかとなると、其れは難しいだろう。バイトテロが続くのもそうだが、「社会の中に埋没している。」という満たされない思いを持ち続けている人達は、「他者から認められたい。」という承認要求が非常に強いからこそ、考えられない暴挙に出る面が在ると思う。
今回の犯人もそういう思いが強過ぎた為、通り魔事件を起こす決意をしたのではないだろうか?「途轍も無い事件を起こせば、多くの人に自分の存在をアピール出来る。」という思いが、彼の中に在った様に感じる。
普通の人間ならばそんな事は考えないだろうが、鬱屈した思いを持ち続けた者にとっては、事の善悪は無関係に、“自分が生きた証”を広くアピールする事が最優先されるのではないかという気が。「時代に、“自分の爪痕”を残したい。」と思い込んだ人間を止めるのは簡単な事では無いけれど、