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大好きな作家・新木真琴(あらき まこと)の最新刊「スリー・ベジタブル」。発売を楽しみにしていた或る日、中学2年生の野々香(ののか)は、学校の手洗い場の隅で忘れ物の本を見付ける。好奇心から書店のカヴァーを外してみると、其れは来週発売予定で、未だ何処にも発売されていない筈の「スリー・ベジタブル」だった。
野々香と、クラスの図書委員・高峯秀臣(たかみね ひでおみ)は、本の持ち主の正体と、どうやって手に入れたかを探り始める。
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大崎梢さんの小説「だいじな本のみつけ方」は、「だいじな本のみつけ方」と「だいじな未来のみつけ方」という2つの中編小説で構成されている。「だいじな本のみつけ方」は「朝日中学生ウイークリー」に連載されていたそうで、ティーンズ・ノヴェルと言って良い。
元書店員という経歴を持つ大崎さんだけに、此の作品も本や書店に対する慈しみの心で溢れており、本好き人間としては、其れだけでほっこりとした気持ちになってしまう。
ティーンズ・ノベルという事も在り、“おっさんの目”からすると、どうしても物足りなさを感じてしまう部分が在る。特に“謎解き”の面が今一で、読み終えた後に残る物が無い。
総合評価は、星2.5個。