記憶違いで無ければ、清武英利氏がジャイアンツの球団代表だった時代、「自チームの中から特に有望な選手を何人かピックアップし、“特待生”として育てる。」というシステムが在った。他の選手よりも多く試合に出場させる等、英才教育が施されていた訳だが、其の中の1人が中井大介選手だった。
2007年のドラフト会議、当時は「高校生選択会議」と「大学生・社会人選択会議」、そして「育成選手選択会議」の3種類が存在していた。此の年の「高校生選択会議」の3巡目で、ジャイアンツに指名されたのが中井選手。1巡目は藤村大介選手で、確か彼も“特待生”として英才教育を受けていたと思う。
因みに、此の年のファイターズが「高校生選択会議」で1巡目に指名したのは中田翔選手。押しも押されもせぬ超一流選手となった中田選手に対し、中井選手は大きな期待を掛けられ乍らも、一軍に定着出来ない儘だった。
ジャイアンツ入りした際、彼の背番号は「94」。1年後の2009年に「61」、そして2014年には「36」と背番号は変わる。「番号が小さければ小さい程、概してチームの期待度は高い。」と言われているので、そういう意味では彼へのチームの期待度は高まっていた事になる。
然し、今年から彼の背番号は「61」に戻される。「94→61→36→61」という変遷を考えると、「大きな期待を掛け続けて来たが、そろそろ一軍に定着出来なければ、見切りを付けないといけない。」というチームの考えが透けて見える。昨年、一軍で彼が残した打率が「.196」と、過去5年で最低な事を考えると、まあ仕方無いとは思う。
プロ入り10年目の今年、高橋由伸監督は彼をスタメンで使い続けている。開幕ダッシュに成功したと思いきや、悪夢の5連敗を喫したジャイアンツ。強いんだか弱いんだか良く判らないチームの中に在って、中井選手は14試合で「ホームラン:2本、打率:.246」という成績。出塁率は「.317」というから、良く頑張っていると言えるだろう。
唯、レギュラー選手となるには、もっともっとレヴェルアップする必要が在る。打撃面では「バントの成功率を高める。」、守備面では「基本に忠実なプレーを、もっと心掛ける。」という事。プロの世界で9年暮らして来た割には守備が御粗末で、基本が出来ていない様に感じる事も少なく無い。
今は守備でも超一流となった坂本勇人選手も、嘗ては「守備が下手。」と批判されていた。中井選手も切磋琢磨し、坂本選手の様な良い選手になって欲しい。