ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

浪速のジョーJr.がボクシングの道へ

2006年07月26日 | スポーツ関連
光陰矢の如し」を実感させる記事が載っていた。”浪速のジョー”と呼ばれ、元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎氏(36歳)の長男・寿希也(じゅきや)君(14歳)が、来春の中学卒業後は高校に進学せずに父と同じプロボクサーの道を歩むという。規定年齢の17歳の誕生日を待ってプロテストを受験するというのだが、あの辰ちゃんがリングで抱き抱えていた赤ん坊がこんな大きくなったのかと、写真を見てビックリしてしまった。

肉を切らせて骨を断つ」という喩えそのままに、ガードを固めるよりも前へ前と打って出て、パンチを受けながらも相手の一瞬の隙を突き、強烈なクロス・カウンターで相手をノックアウトするというボクシング・スタイルだった辰ちゃん。そのスタイルで栄光を掴み取った訳だが、同時に多くのパンチを受けた代償も小さくは無かった。現役時代には網膜剥離等の疾患や怪我に悩まされた。そして”半引退状態”の昨年には、ボクシングの試合にゲストとして呼ばれた彼の姿を久し振りに見掛けたが、呂律が回らない等、パンチドランカーの様相を呈しており、正視するに忍び難かった。そんな父の姿を見ながら育った寿希也君が、父と同じボクシングの道を歩むというのは、同じDNAを持つ者としての本能からなのだろうか。

競馬界には嘗て”天才騎手”と評されながらも、その絶頂時のレース中に落馬、脊椎損傷を負い引退に追い込まれた名ジョッキーが居た。彼、福永洋一騎手が落馬したシーンをリアルタイムで見ていたが、あの衝撃は今でも忘れられない。一時期は植物状態に陥った彼も、家族との懸命なリハビリによって植物状態は脱する事となる。その頃の模様をTVのドキュメンタリー番組で見た事が在るが、最悪の事態は脱したものの半身不随の状態の彼を、家族が必死で支え合っているのが印象的だった。中でも真っ直ぐな視線で父を見つめている幼子の姿が心に残っている。彼の長男で在る祐一君だった。

やがて祐一君は、父と同じ騎手の道に進む事を決意する。彼が競馬学校に入学したというニュースを見聞した時には、「あの幼子がそんな歳になったか。」という感慨と、「父の自由を奪ってしまった世界に、彼も飛び込むのか。」という辛くも不安めいた思いが交錯。そして同時に、同じ道を歩むと決め方からには、是非とも偉大な父を越えて欲しいという気持ちも湧いて来た。これは今、寿希也君に対して抱いている思いと全く同じなのだ。

そして、福永祐一騎手は名ジョッキーの道を駆け上っている。その途中には落馬事故で大怪我を負い、腎臓摘出等の手術も受けた。そのシーンもやはりリアルタイムで見ていたが、頭の隅っこで父・洋一騎手の悲劇が過り(洋一騎手の奥様の実弟、つまり祐一騎手にとっては叔父に当たる北村卓士騎手も、1998年のレース中に落馬し、幸いにも生命の危機は脱したものの、騎手生命を奪われている。)、暗澹とした思いになったが、幸いにも無事復活を遂げてくれている。

嘗ての天才騎手の無念さを知っているが故に、息子で在る祐一騎手に大きな声援を送るファンは自分も含めて少なくないだろう。同様に浪速のジョーの姿を寿希也君にオーバーラップさせ、応援するファンも決して少なくない筈だ。

ガッツ石松氏や輪島功一氏が現役の頃からボクシングを見て来た自分としては、誰とは言わないが、最近の弱い相手を選抜して当然の様に勝つボクサー達にはウンザリしている。”弱い者虐め”で世界チャンピオンになるのでは無く、強い相手を打ち倒しての世界チャンピオンに寿希也君がなる事を望むし、それを楽しみにしたい。

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1 コメント

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Unknown (tak_123)
2006-07-26 10:59:00
>弱い相手を選抜して当然の様に勝つボクサー達にはウンザリしている



同感です。あの亀田兄弟、早く負けないかな。

今度の世界戦も27歳のロートル相手だし。



兄弟3人ともさっさとリングに沈んでほしい。



でも辰吉のキャラもヤンキー丸出しで正直好きではありませんでしたが。。。

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