昨年は、NPBの不手際が目立ったプロ野球ドラフト会議。昨日行われたプロ野球ドラフト会議は、そういう不手際が無かったものの、意外性の在る内容だった。
「今年の最大の目玉とされた田中正義投手(創価大学)には、何球団の1位指名が在るのだろうか?」と興味を持っていたのだが、マリーンズ、ホークス、ジャイアンツ、ファイターズ、そしてカープの5球団が1位指名した。結果的には4番目に籤を引いた工藤公康監督が“当たり”を引き、ホークスが交渉権を獲得。昨年の1位指名では最後に籤を引き、手にした籤をボックスから出そうとした際、ぽろっと中に落とすという縁起の悪さを感じさせたものの、結果的には当たりを引き当てた工藤監督。強運の持ち主だ。
1位指名に外れた5球団が、外れ1位に選んだのは佐々木千隼投手(桜美林大学)。「外れ1位を選ぶチームが全て、其れも5球団もが同じ選手を選んだ。」という前代未聞の出来事に、場内がざわめいていたのが印象的だった。結果的に、当たりを引き当てたのはマリーンズ。
此処数年、目玉選手が悉くと言って良い程、パ・リーグのチームに持って行かれている印象が在る。今年も同様で、セ・リーグのファンとしては残念でならない。
そして、我がジャイアンツ。1位指名を田中投手としたものの、籤で外してしまった。籤を引いたのは3番目で、其れ迄に当たりが引かれていたら諦めも付くが、当たりが残っていただけに悔いが残る。
又、籤を引いたのが堤辰佳GMというのも、ジャイアンツ・ファンとしては残念だった。「今季は優勝出来ず、籤を引かせて外れる事になれば、更に高橋監督を傷付けてしまう。」という配慮が在ったのかもしれないけれど、「前面に立って引っ張る。」という面で物足りなさを感じる高橋監督だけに、是非とも自身で籤を引いて欲しかった。指揮官たる高橋由伸監督が引いての結果なら、外れても「仕方無いな。」とジャイアンツ・ファンは思えるだろうに。
此処数年のドラフトでは、華々しい結果を残せていないジャイアンツ。「1980年の1位指名、4球団競合の末、原辰徳選手を引き当てた藤田元司監督。」や「1992年の1位指名、4球団競合の末、松井秀喜選手を引き当てた長嶋茂雄監督。」の強運振りが、とても懐かしかったりする。
とは言え、1991年にドラフト4位で指名されたイチロー選手が超一流選手になった様に、ドラフト1位指名された選手で無くても、“大化け”する可能性が在るのだから、プロ入りする選手達は大いに頑張って貰いたい。