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隠し球:「野球で、走者に気付かれない様に野手がボールを隠し、走者が塁から離れた時にタッチする事で、走者をアウトにするトリック・プレー。」を意味する。隠し球という言葉は、公認野球規則では定義されておらず、用いられてもいないが、一般には広く普及している。
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我が国では太平洋戦争中の1943年、「隠し球は、武士道に反する。」という理由で禁止されていたと言う。「“騙し討ち”の様な卑怯な遣り口。」という事なのだろうが、実際に成功させるには結構技術が求められる。走者のみならず、多くの目がボールに注がれている中、成功させなければならないからだ。優れた観察力や演技力等が無ければ、成功させるのは難しいだろう。
隠し球と言って一番に思い出すのは、長嶋茂雄監督から“曲者”と呼ばれた元木大介氏。失敗したのも含めると、プロでは数回試みていた記憶が在る。又、高校時代も隠し球を行い、見事に成功させていたのだから、当時から観察力は凄かったのだろう。
4月26日の日刊スポーツによると、「日本プロ野球での隠し球は、2009年6月30日に行われた『ホークスvs.バファローズ戦』で、バファローズの山崎浩司選手が成功させた【動画】のが最後。」なのだとか。「最近、隠し球を見ないなあ。」とは思っていたけれど、11年も成功していなかったとは・・・。
で、隠し球に関する記録を調べてみた。日本プロ野球で隠し球に初めて成功したのは、(具体的な日付け等は判らなかったが。)苅田久徳選手(東京セネタース等に在籍。)なのだとか。
又、「大下剛史選手(東映フライヤーズ)は、1970年の1年間だけで4度の隠し球を成功させている。」というのだから凄い!“1年間の間”というのでは無いが、佐伯貴弘選手はベイスターズ在籍時に3度(2001年、2005年、2006年。)、そして山崎浩司選手はセ・パ両リーグで各1回ずつ(2007年&2009年)隠し球を成功させているそうだ。
日時や相手球団がどこだったか忘れてしまうぐらい怪しい記憶なんですが、阪神タイガースが唯一日本一になったあの年、そう、掛布、バース、岡田のバックスクリーン3連発が語り草になっているあのシーズンの、開幕から間もない時、確かタイガースは隠し玉を食らったことがありました。
開幕早々嫌な場面を見て、先行きに不安を覚えたものですが、あれで却ってチームに活が入ったのかもしれません。
人間万事塞翁が馬。
新コロナ禍も、終息してみれば世の中が良い方向に変わっていく道筋を見つけていた、そんな期待をしたいものです。
今回の記事を書く上で色々調べた所、次の書き込みを見付けました。
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1999年4月3日の阪神2回戦では、元木が仕掛けた隠し球の所為で、桑田真澄はボークを取られてしまった。
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悠々遊様が書かれたのは「1985年」の出来事ですし、元木選手がプロ入りしたのは1991年の事ですので、少なくとも彼による隠し球では無い様ですね。
隠し球、された側からすると、此れ以上の屈辱は無い。多くが見守る中で赤っ恥を掻かされた訳ですから、味方の選手達も「ふざけるなよ!」と燃える事は想像に難く在りません。実際問題、「プロ生活で元木選手が隠し球を成功させた試合は、全てジャイアンツが負けている。」という書き込みも目にしました。事実かどうかは判りませんが、そうなるのも理解出来ます。
人間万事塞翁が馬、新コロナウイルス禍も本当にそうなって欲しいです。
そうかネット検索すればよかったんですね。
というわけで検索しました。
1985年4月13日、広島との開幕戦でした。
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202003310000608.html
負けてますね(苦笑)。
リンク先の記事を拝読しましたが、隠し球に遣られた側のタイガースが敗戦を喫したんですね。でも、此の敗戦により、首脳陣とコーチの一体化が結果として図れたのですから、「災い転じて福となす」だった訳です。
自分がプロ野球を見続けて来た中で、“チーム全体の破壊力の凄さ”で言えば、1985年のタイガースは断トツでした。