「俳優の田村正和氏が心不全にて、77歳で亡くなられていた。」事が、昨日明らかとなった。訃報も然る事乍ら、何よりも驚いたのが「彼が亡くなったのは、先月3日。」という事実。「あんなにも有名な方が亡くなった事を、1か月と2週間もの間、隠し通せていた。」というのが、余りにも意外だったので。
田村正和氏は、俳優・阪東妻三郎氏の三男。“バンツマ”は脳内出血にて、51歳の若さで亡くなっている。彼の長男(即ち、正和氏の兄。)は俳優として有名な田村高廣氏だが、15年前に奇しくも正和氏と同年齢の77歳で亡くなっている。バンツマの次男(一般人)は現在82歳、そして四男で俳優の田村亮氏は74歳と御元気の様だが、「短命な家系なのかなあ。」と亡くなられた御三方の享年から思ってしまう。
所謂“トレンディー・ドラマ”に興味が無かった人間なので、田村正和氏が主演している其の手のTVドラマを見た事は皆無に等しい。だから、彼と言えば「古畑任三郎シリーズ」での古畑任三郎役が、非常に印象的。ストーリーも面白かったが、彼が主役でなかったら、あんなにも人気作品にはならなかったと思う。
2か月前に亡くなった俳優の田中邦衛氏。年齢は田村正和氏より11歳も上だし、姿形は似ても似つかない2人だ。でも、今回の田村氏の訃報を受け、自分は「共通点の多い2人だったなあ。」という思いが在った。
御二方のファンには申し訳無いけれど、彼等の演技を「上手い。」と思った事は無いが、「一度見たら忘れられない、誰しもが真似したくなる程、強烈な個性を持った俳優だった。」のは間違い無い。
「派手な世界に身を置き、一流の存在となったのに、『俺が俺が。』と前面に出て行く事を好まず、控え目なタイプだった。」事や、「家族を含めた私生活を、自分から公にする事は無かった。」というのも共通点。そして、「晩年は病気で“表舞台”に現れる事無く、ひっそりと亡くなった。」というのも同じ。
合掌。