先月、某牛丼店に行った時の話。近くで大きなイヴェントが行われていた事も在り、店内は客で溢れ返っていた。カウンターで牛丼を食べていた所、店員同士の会話が聞こえて来た。1人は新人で、もう1人はヴェテラン風。新人君がもたもたしているのを見兼ねて、アドヴァイスをしている様だった。
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ヴェテラン:「御客様が食べ終えた物を片付ける際、トレイの上に食器を重ねて持って来たよね?」。
新人:「はい。」。
ヴェテラン:「食器を重ねて持って来られると、洗う際に1つづつ取り外さないといけないので、其の分手間が掛かる。そうすると、結果的に御客様を待たせる事になってしまう。だから、トレイには食器を重ねないで持って来てね。」。
新人:「判りました。」。
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店員が食器を持って行く際、「回収する手間が省けるだろう。」と考え、自分は何時も食器を重ねた上で、席を立つ様にしている。なので、彼等の会話を聞いて「えー。」と思った。
で、後日、飲食店でアルバイト経験の在る兄弟に「こんな意外な話を聞いたんだけど・・・。」みたいな感じで話した所、「そうなんだよね。食器を重ねて持って来られると、洗う際に1つづつ取り外さないといけないので、凄く面倒で。御客さんは、良かれと思ってしてくれてるのは判るんだけど・・・。」と答えて来たので、「そうなんだ。」と思った次第。当事者じゃないと判らない事って、結構在るのだ。
何でこんな話を書いたかと言えば、秋田県の旅館で働いている“ぱおた”さんという方が、ツイッターで書いた内容が話題になっている事を知ったから。内容は、次の通り。
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旅館の清掃係からの御願い。チェックアウト時は、「布団は畳まないで、其の儘で部屋を出て」下さい。丁寧に畳んで下さってる方がいらっしゃいますが、「布団に挟まった忘れ物チェック。」と「結局、畳み直し。」で、二度手間になります。部屋は其の儘、出発の程御願いします。
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ぱおたさんは取材に対し、「学校で『綺麗にしてから出ましょう。』と教わったので畳んでいたという反応も多かったです。其れに対して反論や否定をしたい訳では在りません。私としては『折角の旅行だから、サーヴィスに委ねて、其の儘の状態で出発して戴いて構いませんよ。』という気持ちでツイートしました」とも答えておられる。
客の立場とはいえ、「布団をぐちゃぐちゃの儘でチェックアウトするのは、従業員の方達に失礼。少しでも手間が省ける様、布団はきちんと畳んでおかないと。」という思いが、自分には在る。だから、旅館やホテルを利用した際は、毎回布団を畳んでいた。
でも、「布団に挟まった忘れ物をチェック。」という作業を考えると、「布団は畳まないで結構ですよ。」という従業員の方の言葉は理解出来る。
「良かれと思ってしていた事が、却って相手に面倒を掛けている。」としたら、本末転倒以外の何物でも無い。次回からチェックアウトの際は、布団をきちんと整えるだけにして、畳むのは控えたいと思う。