沢尻エリカ嬢が終始不機嫌そうな言動を貫いた事でバッシングを浴びた件は皆様御存知の事と思うが、あれは映画「クローズド・ノート」の舞台挨拶での出来事だった。この作品の原作「クローズド・ノート」を書いた雫井脩介氏の近刊本「ビター・ブラッド」を読破。
****************************
「御前に憧れて刑事になった訳じゃ無い。」警視庁の新米刑事・佐原夏輝。配属から一ヶ月、情報屋の貝塚という男が殺された。初の現場で本庁捜査一課の刑事・島尾明村とコンビを組む事になる夏輝だったが、島尾は幼くして別離した実の父親だった。
その一ヶ月後、島尾の上司で在る捜査一課五係の係長・鍵山謙介が何者かによって殺害された。曲者揃いの刑事達が弔い合戦の様相を見せる中、捜査本部は貝塚事件との関連性を検討する一方、内部犯行説も視野に入れ始める。
情報屋との窓口を務めていた”シャドーマン”とは一体誰なのか?亡くなる前の鍵山が夏輝に問い掛けた質問の意味とは?母を捨てた父・島尾に反目する夏輝と、そんな彼を見守る島尾が辿り着いた結末とは?
****************************
母方の祖父・佐原富也、父・島尾明村、そして夏輝と三代続いての刑事の家系。夏輝が多感な年頃に両親は分かれ、その後に母・小都恵は彼と妹の忍を残したまま蒸発してしまう。祖父母の元で育った彼は、優しい母を追い詰めた明村を憎んでいた。そんな彼が父と同じ刑事の道を歩み、殺人事件の捜査でその父とコンビを組む事になった運命の皮肉。気障な程のダンディーさを見せる”ジェントル”こと明村と、そんな父に反目し乍ら刑事として成長して行く”ジュニア”こと夏輝。昔、「週刊少年サンデー」に連載されていた漫画「おやこ刑事」も刑事の親子を題材にした作品だったが、それと同じ雰囲気を感じさせる「ビター・ブラッド」。
「ビター・ブラッド」を「無情な血統(Bitter Blood)」という意味で”深読みし過ぎ”、当初は違った結末を予想していた。それからするとストーリー展開はシンプルだし、”犯人”の目星も割合早い段階で付いてしまったのは正直鼻白む所。「謎解き」という意味では物足りなさを感じる作品だが、一つの読み物としては登場人物達がキャラ立ちしていて面白いし、恐らくシリーズ化して行く作品ではないかという気がしている。(刑事という職業には、何故か”不幸の影”が良く似合うもの。)
総合評価は星3つ。
****************************
「御前に憧れて刑事になった訳じゃ無い。」警視庁の新米刑事・佐原夏輝。配属から一ヶ月、情報屋の貝塚という男が殺された。初の現場で本庁捜査一課の刑事・島尾明村とコンビを組む事になる夏輝だったが、島尾は幼くして別離した実の父親だった。
その一ヶ月後、島尾の上司で在る捜査一課五係の係長・鍵山謙介が何者かによって殺害された。曲者揃いの刑事達が弔い合戦の様相を見せる中、捜査本部は貝塚事件との関連性を検討する一方、内部犯行説も視野に入れ始める。
情報屋との窓口を務めていた”シャドーマン”とは一体誰なのか?亡くなる前の鍵山が夏輝に問い掛けた質問の意味とは?母を捨てた父・島尾に反目する夏輝と、そんな彼を見守る島尾が辿り着いた結末とは?
****************************
母方の祖父・佐原富也、父・島尾明村、そして夏輝と三代続いての刑事の家系。夏輝が多感な年頃に両親は分かれ、その後に母・小都恵は彼と妹の忍を残したまま蒸発してしまう。祖父母の元で育った彼は、優しい母を追い詰めた明村を憎んでいた。そんな彼が父と同じ刑事の道を歩み、殺人事件の捜査でその父とコンビを組む事になった運命の皮肉。気障な程のダンディーさを見せる”ジェントル”こと明村と、そんな父に反目し乍ら刑事として成長して行く”ジュニア”こと夏輝。昔、「週刊少年サンデー」に連載されていた漫画「おやこ刑事」も刑事の親子を題材にした作品だったが、それと同じ雰囲気を感じさせる「ビター・ブラッド」。
「ビター・ブラッド」を「無情な血統(Bitter Blood)」という意味で”深読みし過ぎ”、当初は違った結末を予想していた。それからするとストーリー展開はシンプルだし、”犯人”の目星も割合早い段階で付いてしまったのは正直鼻白む所。「謎解き」という意味では物足りなさを感じる作品だが、一つの読み物としては登場人物達がキャラ立ちしていて面白いし、恐らくシリーズ化して行く作品ではないかという気がしている。(刑事という職業には、何故か”不幸の影”が良く似合うもの。)
総合評価は星3つ。