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「年俸15億円減で黒田が電撃復帰 広島オーナー『驚き。』」(12月27日、朝日新聞)
「驚いている。」。広島の松田元オーナーは、黒田の復帰が決まり、興奮気味に話した。大リーグでドジャースとヤンキースという名門でプレー。39歳乍ら、今季も先発投手としてシーズンを通してローテーションを守り、大リーグでも一線級の立場だった。
米メディア等によると、黒田の今季の年俸は1,600万ドル(約19億円)。広島が提示した金銭面の条件は、獲得を目指す大リーグの各球団に比べ、大きく下回った。其れでも黒田が復帰を決めた理由の1つは、渡米後も、毎年の様に球団関係者が粘り強く交渉を続けて来たからだ。
広島は2年連続でクライマックスシリーズに進み、優勝を狙える事も決め手の1つと見られる。松田オーナーは「チームの雰囲気や地域の繋がりが在るのではないか。妙な懐かしさが在るチームなんだろう。」と黒田の心境を察し、「カープ・ファンにとって、少し遅れたクリスマス・プレゼントになった。」と嬉しそうに話した。
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過去に何度も書いている事だけれど、セ・リーグでジャイアンツの次に好きなチームがカープ。「資金面で劣る分、猛練習と知恵を絞る事で、チームを強くし様と頑張っている。」のが、カープに魅了される理由。最後にリーグ優勝を果たしたのが「1991年」と、既存の12チームの中では“最もリーグ優勝から遠ざかっているチーム”だけに、毎年の様に「今年こそは、カープが優勝して欲しい。」と思っている。
必要以上に“男気”を口にする人間程、概して女々しかったりする。其れは球界も例外では無いのだけれど、黒田投手に関しては「心底、男気が在るなあ。」と感じる。
以前より彼は「何れはカープに戻って投げたい。」といった趣旨の発言をしていたが、「本音半分、リップ・サーヴィス半分って感じなんだろうなあ。」と捉えていた。年俸が約15億円も減るのに、其れでもカープへの復帰を選択したというのは、伊達や酔狂で出来る事では無い。カープ・ファンも、2日遅れのクリスマス・プレゼントを嘸や喜んでいる事だろう。
来年には四十路を迎える黒田投手だが、今季は「11勝9敗」という成績を残している。メジャーで「5年連続二桁勝利」という実績は、本当に凄い。
前田健太投手(11勝9敗)、大瀬良大地投手(10勝8敗)、中田廉投手(9勝8敗)、野村祐輔投手(7勝8敗)、福井優也投手(4勝5敗)、一岡竜司投手(2勝2セーヴ16ホールド)等、若手投手の台頭が著しいカープに在って、衰え知らずの大ヴェテランの復帰は、大きな戦力になる事だろう。
打撃陣でも、大ヴェテランの新井貴浩選手がカープに復帰した。色々在った事から、カープ・ファンの中には彼に対して複雑な思いを持つ人は少なく無いだろうし、彼自身も其れは良く判っていると思う。判った上での復帰、そして“地獄を見た人間”だからこそ、来季は死に物狂いで臨む事だろう。カープの打撃陣が、そんな彼に触発され、好成績を残してくれると嬉しい。
「不思議な縁で結ばれた8人の剣士が、文字が浮き出る玉に導かれて全国各地から集結し、御家の再興を果たす。」というのは、幼少期に大好きで見ていたNHK連続TV人形劇「新八犬伝」のコンセプトだが、「ドラフトや移籍によってカープに呼び寄せられた若手選手に加え、嘗てカープに移籍していた大ヴェテランも縁によって復帰した。」という事に、自分は「新八犬伝」を重ね合わせてしまう。
来季のカープは楽しみだ!