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「プレミアムフライデー『効果無し。』76% 朝日世論調査」(7月10日、朝日新聞)
毎月末の金曜日の仕事を早く切り上げるプレミアムフライデー。朝日新聞社が8、9日に実施した全国世論調査(電話)で、期待された個人消費の盛り上がりに付いて尋ねると、「効果を上げていない。」が76%で、「上げている。」は僅か11%だった。
職業別では、事務・技術職層の85%、製造・サーヴィス従事者層の83%が「効果を上げていない。」と答え、主婦層の72%等と比べ、より冷ややかな目を向けていた。
此の官民挙げた取り組みは、2月に始まった許り。今後に付いて聞くと、「止めた方が良い。」が49%で、「続けた方が良い。」の32%より多かった。年代別では18~29歳だけは「続けた方が良い。」が53%と多数派だったが、30代以上の全ての年代で「止めた方が良い。」の方が多かった。
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今回の調査結果には、「そうだろうなあ。」という思い。自分の周りでも、「プレミアムフライデーなんて、全く無意味だよ。」という声が大半だからだ。
「残業続きで、家族サーヴィスが満足に出来ない人が多い。→“御上”が『此の日は残業せず、早く退社しなさい。』と決めたら、殆どの企業や官庁は従うだろう。→多くの人が早く退社すれば、個人消費が伸び、景気は上向く。」という発想が、政府には在ったのだろう。御上から命じられなければ、従来のスタイルを変えられない。」という国民性を有する日本人を思えば、そういう発想が出て来るのは判らないでも無い。
でも、政府には大事な点が抜け落ちている。「景気は上向いて来ている。」と政府は喧伝するけれど、多くの国民に其の実感は無い。税金等の支出がどんどん増える一方で、収入の伸びは今一つ。老後の暮らしの保障は不安許り。そんな状況で、個人消費が伸びる訳も無い。官庁は別にして、企業だってこんな不安な状況では太っ腹になれない。
“御友達”には血税をどんどん投入する一方で、其の他の国民には御座なりな対策で御茶を濁すでのは、個人消費が著しく伸びる事は無いだろう。
民間の会社勤め、それも中小零細といった「弱者企業」に勤務したことがない、エリートやお坊ちゃんが考えるとこうなるのでしょう。
誰も好き好んで残業がしたいわけじゃない。
残業しなければ仕事がこなせない、利益が出ない会社と、残業しなければ生活を維持する所得が得られない労働者がいることを、あの人たちは全然わかっていないのか、分かろうとしない、あるいは最初から眼中にないのかも知れません。
実態を良く知らない人間が、尤もらしい仕組みを作るというのは、本当に困りますね。入試制度を含めた教育制度も同様で、自分の世代も振り回されたし、他も同じでしょう。
“自分と意見を同じくする連中”許りを集めて有識者会議を構成し、“予定調和の結論”を打ち出させるというのは、一体どんな意味が在るのか?